一章 召喚
暗い物語ではなく、明るい物語です。
地球とはまた違う世界で今、大きな儀式を起こそうとしている大きな部屋があった。
大きな部屋では、魔方陣の回りを大きな円のようにたつ男達と奥のイスに座っている王族らしき男がいる。
そして、王族らしき男は椅子から立ち、膝を付けている男から赤い石をとり魔方陣にその石を置きこう唱えた
「勇者よ、ここに現れよ!」
その直後、魔方陣から眩い光が浮かび上がり、石と引き換えに一人の青年が召喚される。
異世界で召喚の儀式が行われる10分前、ある少年は高校の帰りを歩いていた。
いつもと同じ道で、前を向いて歩く。
ふと、信号が青になり、交差点を渡ろうとした少女が目にはいった。
少女はある方向を見てへたりこんでいた。
そして、次の瞬間俺は走り出す。
時速100キロを超えるようなスピードの車が、少女に迫っていたのだ。
俺は少女を持ち上げ右を見る。
もうトラックは目の前まで、迫ってきていた。
少女だけでも助けようと、少女を草むらに投げる。
その直後、トラックからくる衝撃を意識しながら待った。
まだ来ない…………。
まだ来ない……………………。
まだ……来ない…………………。
ふと、気づくと自分は立っていた。
周りを見ると、鎧を来た男たちと、綺麗な服を見にまとった50代ほどのおじさんがいる。
ここ………………どこ?
俺はトラックに引かれたのではないのか?
トラックに引かれて、生きてたのか?
じゃあ、俺死んでないの?
トラックに引かれて生きてたなら、病院とかのベットで寝てるはずじゃないの?
たくさんの疑問が浮かび上がったが、50代ほどのおじさんの説明で、すべての納得ができた。
「勇者よ召喚に応じたこと、感謝する」
勇者、召喚?
もしかして、ラ○ベあるあるのトラックに引かれて異世界トリップってやつ?
だったら最高じゃね?異世界トリップされた奴ってチート能力があるのが相場だから、俺もチート能力あるってこと?
どんな能力だろ?
「勇者であるお主を召喚させたのは、この世界を救ってほしいからである。協力してくださるな?」
この世界を俺が救う?
異世界で勇者として、チート能力を使い、世界を救う。
ものすごく胸が熱くなる。
だが、上から命令されながら動くなんて、嫌だね。
導き出された答えは、
「断る」
静かだった鎧を来た男達がいきなり物騒な剣を向けてくる。
な、何をするきだ?
「そやつを殺せ」
は?殺せ?もしかして、断ったらいきなり殺されるやつ?
召喚されて、いきなり殺されるの?
「はぁ、やはり赤い石は欠陥品であったか……。本命の召喚石があるから、そちらに期待するか」
ま、マジで殺されるの?ヤバイヤバイヤバイ。
俺のチート能力よ今、目覚めよ!
その瞬間目の前の景色がガラリと変わる。
ここ………………どこ?
周りは、先ほど殺されかけた現場ではなく、広大な草原であった。
「もしかして、俺のチート能力が発動したのか?」
だとしたら、とてもありがたい。
でも俺のチート能力ってなに?
だが、その前にこの状況をどうにかしなければ。
周りには本当に何にもなく、ただ、いかつい男がこちらに向かって歩いてきているだけだ。
あの人誰?もしかしなくても、悪い人だよね?
「おい貴様そこでなにしている!迷子になったのなら村まで案内するか!?」
うん、いい人でした。