見つけ出した大切なもの3
見つけ出した大切なもの 3
ある日突然のことだった。リーダーが死んだ。今まで私が殺してきた人間みたいに肉の塊になっていた。泣き叫びたかった。でも泣き叫べなかった。口は息ができる程度に塞がれ体は縄で縛られていた。横を見ると私に歴史を教えてくれたおじさんや料理を食べさせてくれたお姉ちゃんが肉の塊になって死んでいた。青年は…意識を失っているだけで生きているようだった。人を殺してきたことが初めていきた。どうして…誰が…
「おやおや、目が覚めましたかぁ?」
振り向くとそこには手足が長いバランスが悪い人間が立っていた。
「ハッハッハー。いやぁこの男に関しては噂を聞いていてねぇ。どうも未来が見えるそうじゃないか。せめて役立って貰おうと思ってねぇ。」
「殺す!殺してやる!」
そう言おうにもタオルのせいで言葉がでない。
「なんて言ってるのかわからないなぁ。まぁいいか。また後でくるから。タオルは取ってあげよう。隣のやつと話すといいよ」
そう言うと男は部屋から出ていった。ドアが空いたときそこには男が他に二人立っていた。おそらくまだいるのだろう。勝てない。そう思った。
「大丈夫。君だけは僕が守るから。」
青年も意識を取り戻したようだ。
「ごめんなさい…私…またあなたに守ってもらって…」
「君は僕にとって大切な人だからね。守ってあげたくもなるよ。」
青年は暗いせいでよく見えなかったが顔が赤いようだった。床はとても冷たく体は冷えていたが青年のその言葉で体の芯から暖まっていくようだった。暖まってホッとしたのかそこで私の意識は途切れた。
4に続きます。