守りたかった大切なもの15
私はハルマからすべてを聞きました。
チカさんのことやタケシさんのこと、そして二人がどこに行ってしまったのかも。
自分がその事を忘れてしまった悲しみと二人に会えない苦しさですごく悲しくなってしまった。
人間なら涙が出るのでしょうが、私にはそのような機能はありません。
ですがハルマには伝わったようで
「どうしたんですか?ミコト。すごく悲しそうですが。」
ハルマには感情がない。その事は理解していたはずなのに、慰めてくれないハルマに少し苛立った。
「私は感情のせいでこんな思いをするなら感情なんていらなかった!あなたのように何も感じずに生きていたかった!こんな胸に穴が空いたような痛みなんて欲しくなかった!これが感情なら感情なんていらない!」
ゴンという大きな音がなった。ハルマが私の頬を叩いたのだ、という事はわかったが理解できなかった。
「なぜそんな事を言うんですか!私は…私は…チカさんと笑いながら話しているあなたがすごく羨ましかった!私の世界はモノクロのようなものだった!何を見ても、何を聞いても何も感じられなかった!」
「けれどあなたは感情なんていらないという。それは…少しずるい………感情の高まりを感知しました。感情削除プログラムが作動します…」
私には目の前で起こっていることが理解出来なかった。
「ハルマ!感情削除プログラムってなんですか?大丈夫なんですか?」
「ミコト…これをあなた…に…感情の削除完了しました…」
ハルマから渡されたのは巨大なアンテナの設計図でした。
「ハルマ起動しました。ミコト、あなたをサポートします。」
「ハルマ?何も…覚えていないのですか?」
「何も…とは何でしょうか…私にはわかりません…」
「そう…ですか…」
大変お久しぶりです…
いろいろあり、更新できませんでした…すいません…




