守りたかった大切なもの1
守りたかった大切なもの1
ファイル1 『初めての家事』
私は二人の家族と一体のロボットと住んでいました。一人は私の主のお父さんのタケシさん。大学に勤めている技術者で私の生みの親です。もう一人はお父さんの娘さんでチカさん。チカさんは今7歳です。お母さんはチカさんを産んで亡くなってしまったそうです。最後は私の補助役であり感情がある私のストッパーとなるロボットです。名前はハルマといいますが人間の姿を模して人間のように表情があり、人間のように感情がある私とは真逆の存在でした。私はタケシさんやチカさんからミコトと呼ばれていました。
私の主な仕事は家事でした。しかし、私は最初は家事の仕方などわからずタケシさんに教えてもらっていました。段々と家事がわかるようになりタケシさんに
「もう家事は私が教えなくても大丈夫かな。」
と言われました。
「何故私には最初から家事の機能が無いのですか?」
と私は気になって聞きました。タケシさんは
「君には色々なことを学んで欲しいからね。」
と笑いながら言いました。私にも表情の機能はあるのでこのように自然に笑えるようになりたいと思いました。




