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僕は人を殺してしまった。
見切り発車をしてみます
やってしまった。
僕が初めに浮かんだ感想はそれだった。
「………………………………」
声すら出せずに彼は死んだようだった。
そして、数瞬の静寂の後、そいつが地面にぶつかる音が響いた。
空回りを始める意識を僕はどうにか鎮め、辺りを見渡す。
目を見開いた少年たちが5、6人。夕暮れ空の校舎裏の薄暗い風景。
僕の手の中には白色の拳銃が収まっていた。
リストバンド型端末は有機ELのディスプレイ上で不気味な青白い光を脈動させている。
そして、銃の照準器の上にははっきりとした光のディスプレイが浮かび上がっていた。
Result
郷田 貴:死亡
経験値:0
※生存者同士の決闘では経験値は手に入りません
精製器官:破壊済
まるでそれはゲームみたいだった。
信じられなかった。
信じたくなかった。
でも、僕は目の前の肉塊を見て認めるしかない事実があった。
僕がこいつを殺したのだ、と。