ボロカス青年
こっち
家に帰るとすぐに、調べた。「女性専用車両 いつから」と。
関東では2001年
関西では2002年
とあった。
と言う事はあっちは2001年以前と言う事になる。一体いつの時代なんだろう。何かヒントはないのか。考えてもキリがない。女性専用車両なんてあり得なかった時代。赤木さんの怒りであり得ないのが分かる。2001年以前か。さらに、携帯が普及してない。って事は90年代。いや、最悪80年代かも。あだ名がマルサで受けるって事はマルサの女が上映された後か。調べてみた。
1987年公開の映画。って事は87年~2001年の間。
携帯が普及した年も調べてみた。
「携帯電話 歴史」で調べた。
(96年・・・着メロが使えるようになる)
(97年・・・メールが使えるようになる)
(99年・・・Iモード、EZウェブなど、携帯からインターネットに繋がるようになる)。(初のカラー液晶搭載)
(2000年・・・カメラ付き携帯が発売。写メが撮れるように)
調べてると面白いが、あっちは2000年以降ではないのでこの辺で。
1996年より前かな。着メロ出たら流行るやろ。
1987年~1995年のどこかって事だ。中々調べるのも面白い。もうちょっとヒントがあれば確定出来そうやな。西暦が。
晩飯を食べた。どこか満足気やったのか。おかんから
「あんた、嬉しそうやなぁ。無職で頭おかしくなったんちゃうか。一生笑ってヘラヘラ生きとけや」
イラッとしたが、言い返せない。親父からも
「笑ってる場合ちゃうやろ。何が面白いねん。しょ~もない!」
と怒声。俺は笑顔になっちゃダメなのか・・・
TVのニュースでは無情にも農業を頑張る若者特集をやってた。おかんから
「あんたより年下やで。ほんま情けないわ」
うつむく俺。
「こいつに弟子入りして来いや」と親父。
「弟子入りして来い!」怒鳴る親父。
うつむく俺。
「一生下向いとけや。医者通って生活保護もらえるまで下向いてたらいいやんけ。しょ~もない」
俺はボロカス青年だ。言い返せない自分が情けなかった。
また、夢であの老婆が出て来た。
「中々、頭使ってるじゃない。良い事だよ」
「そうですね(しょんぼりしてたらしい)」
「ご両親にボロカス言われてヘコんでるんか。まぁ、しゃ~ないで。無職の息子なんて恥ずかしいもん。けどな、ずっと無職でおる必要はない。どっか仕事決まったら状況はガラリと変わる。決めたら見返せるよ。あっちの世界で色々コミュニケーションの勉強したら良い。あえて、変な客ばっか接客させてるよ」
「あれは設定なんですか?」
「いや、過去に実際来た客やで。それを敢えて全部、君に当ててるんや」
「なるほど」
「ピンチの時の合言葉覚えてる?」
「赤いアメンボ。黒いトンボ。緑のオタマジャクシ!」ですよね?
「そうそう。ただな。こっちの話で長いってなってん。赤いアメンボだけで良いで」
「えっ。他の2つは?」
「言わんでもOK」
「分かりました。ホンマにピンチになったら叫びます」
「赤いアメンボやからな」
「はい」
「あっ。そうや」
「えっ?」
「いちいちハロワのトイレ行くの面倒臭いやろ。近所のコンビニのトイレでも良いから」
「はぁ」
「ハロワかコンビニのどっちかでいいから」
「分かりました」
次の日
ためしに、徒歩5分のコンビニでトイレを借りた。
本当にドアが開かなくなった。チーンと音がなり、言われた通りあっちに行けた。