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異世界でも仕事ってあるんだな

あっち


死んだのか?俺はトイレで死んだのか?暖簾のれんがあった。多分向こうにはエンマ様みたいな奴がめっちゃ怒ってるんやろなと思った。


「ごめんなさい」って喉が枯れるまで言う決意をした。どう考えても地獄行きとしか思えなかった。犯罪はしてない。けど、社会に貢献もしてない。いや、フリーター時代にしたか。けど、親に迷惑かけてるし地獄やろな。暖簾くぐるの恐いな。でも、くぐらな始まらんか。どうせ死んでるんや。殴られても痛くないやろ。と半ばやけくそ気味にくぐった。足は震えていた。


「えっ!」


暖簾をくぐり少し歩くとそこには若い駅員さんが1人いた。駅員控え室らしく、カレーの匂いが漂ってきた。名札を見ると柴と書かれていた。柴さんって言うんや。


「あっ、ピーさん。トイレ長かったっすね。カレー作ったんですけど、目玉焼きどうしますか?」


まず、俺の名前を呼ばれる時に放送禁止用語の時に使われる「ピー」って効果音が流れる。俺は誰だ。自分の名札を見る。名札は空白だ。これは良いのか?とりあえず質問に答える。


「目玉焼きいらんわ」


柴君はめっちゃビックリしてた。


「えっ!だってピーさん。目玉焼きは2つでやっと目玉焼きってギャグあるじゃないですか。いつも2つ食べるのにどうしたんですか?」


「えっ!」


「いや、えっ!じゃなくて、人にも動物にも目は2つあるやろ。だから目玉焼きは2つが良いんやって飲み会で熱弁してたじゃないですか」


俺の正体は坂東英二じゃないのか。いや、あの人はプロ野球選手だ。と言うか、俺服装変わってるがな。駅員仕様やないか。さっきの半そで半パンの夏仕様はどこ行ったんや。駅員ユニ長袖やないか。季節はどうなってる?ハロワは7月やけどこっちは?疑問だらけだったが柴君に


「今何月やっけ?」


って聞いたら病院勧められそうやからよ~聞けん。あっ!そうや。自分の正体知る方法あるわ。


「柴君ちょっと顔洗って来るわ」


さっきの暖簾の所に行った。あそこトイレやったんやな。確かに個室が1個奥にあったな。トイレから出てすぐの手洗い場におったんやな、あれは。と言う事は鏡があそこにある。


ほら、あった。覗いて見た。


「ウワッ!!!」


・・・顔がない。首無し人間だ。じゃあ何で鏡が見える。意味が分からない。服装しか分からない。


「どうしたんですか!」


柴君が便所に走って来た。


「顔がない!」


「えっ!ピーさん何言ってるんですか?」


「鏡に顔だけ映らんねん」


「・・・まぁ、4月ですからねぇ」


ひょんな事から4月って事が分かった。


「・・・病院行った方が良いんじゃ・・・」


と言われた。どっちにしろ病院を勧められた。


「冗談やん!今日エイプリルフールやろ。だからウソ付いたんや」

とごまかそうとした。


「あっ!やられましたね(笑)」

柴君は笑った。エイプリルフールやってんや。当たった。


柴君はさん付けして敬語なので、後輩だろう。所でここは何駅なんだ?知るために

「ちょっとホーム見て来るわ」


「えっ!まだ、夕方ラッシュちゃいますよ」


「ちょっと気になる事があって」


時計をチラッと見ると午後3時50分だった。


ホームに降りようとしても階段が永遠に続くだけだった。駅の階段がこんなに長い訳が無い。途中で階段と階段のすき間の部分があった。一旦平坦になる。そこの右側の手すり側に謎のドアがあった。


何となく予想はしたが開けてみた。予想通りハロワのトイレに戻った。

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