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プロローグ
「ねぇスティーブン」
彼女は素敵な笑顔で周りに花を咲かせる。
「どうしたんだい」
私の大切なひと。
「あのね──」
彼女は耳打ちで私に話を聞かせてくれる。つぶやくたびに彼女の息が耳に当たって、少しくすぐったくなる。
「──────」
彼女は話し終わった後、再び花を咲かせる様に、にこりと微笑んだ。
その笑顔がとても愛らしくて、そう想う度に胸が苦しくて。
今すぐ抱きしめてしまいたくなる。自分の腕の中に、大きな花束を抱えるようにそっと。
──それは叶うことはなかった。
私の少しの感情を残したまま、目の前にあった対象はある日の雨音と共に、姿を消した。
文章とかよく分かっていない人間が書いております。優しい目で見守っていてあげてください。