白銀の少年の嘆く談笑の約束を
「っつー訳で行くことになった」
「南なあ……」
食堂で黙々と昼食をとっていたところ、またシュウとシルベリアに見つかった。ここ数日、この二人に必ず会う。勤務時間がバラバラだというのに、不思議なことだ。
「死ぬな」
「確実に」
ご愁傷様、と言ってくるのに勝手に人を殺すな! なんてベタな台詞さえ出てきやしない。
「自分でもそう思う」
死ぬな、確実に。
「何で反軍の本拠地にこんな子ども一人でやらせるんだか」
「あのオッサン鬼だな」
紅茶を飲みほし、トレイに置いたシルベリアでさえ笑っていない。
「ボスなんて殺したらスゲー数の奴に恨まれんだろーなー」
「でも、やるんだろ」
「やる!」
恨まれても、憎まれても、それで芽生えた憎しみを持った奴に俺が殺されようが、俺はやる。
「なら、そんなこと言ってないで行ってこい」
泣き言のようなことを言ってしまったのは分かっていた。だから、隣席のシュウに頭の上に手を置かれたのが恥ずかしかった。
「いつどうやっていくんだ。向こうに移籍させられる訳じゃないんだろう?」
その様子を微笑みながら見ていたシルベリアに訊ねられる。
「五日後に南部軍養成所で生徒の作った作品の発表会があるだろ? それの審査員として行った後、生徒に変装して二か月くらい養成所の視察」
「オッサン面倒くさかったんだな」
「多分、それもあると思う」
ビスナルト教官はこの二人に近づくなって言う。だけど、俺は。
「まあ、作品の発表会は面白いから、そっちの方は楽しんで来いよ」
「マジで!?」
「マジ。あそこが一番軍兵器の開発進んでるしな」
俺は――。
「今年は確かリキッド・カスターと、フレイアム元大佐の娘のリスティーが特に注目されてるな」
「リキッドは魔物の毛皮を使った防護服、リスティーは魔法を込めた銃弾と拳銃のはずだ」
「へーーっ。他は? 他の生徒はどんなのを出すんだ?」
俺は、シルベリアと話せることが楽しくて楽しくて仕方がなかった。シュウとも、楽しくないことはない。けれど、エディスさんのことを思うと、コイツにだけは気を許してたまるかという気持ちが出てきてしまう。なにかが変わってしまう気が、していた。




