白銀の少年の嘆く悲鳴の約束を
「エディ!」
帰ると、広い玄関にハイデがいた。
「ただいま……っ」
じんわりと目があつくなる。
「大丈夫だったの!?」
ぎゅっと抱きしめられる。怖かった、と口から出る前に、止まる。
『這いずってでも、生きなさい』
エディス、さん。夕暮れ色の髪が、目の裏に蘇る。優しい優しい、笑顔で君が笑う。
『何があっても、生きて』
君が、そう言う。苦しげな顔でそう言う。ドゥー。ドゥルース!
「……うん」
愛してる、誰よりも。誰よりも、愛している。だから、
「うんっ! 大丈夫だったよ」
にっこりと微笑む。うん、大丈夫。俺はまだ笑えてる。
「本当に?」
「おう! あのな、父様が俺の後見人になってくれるってよ!」
そう言うと、やっとハイデが安心した顔をしてくれた。
「俺、頑張るな!」
ぎゅっと服の袖を掴む。
助けて、助けて。心の中ではそう叫ぶ。苦しい、体が、心が痛い。あの人と一緒に死にたかった。あの人を殺したかった。殺して一緒に死にたかった。エディスさんは父様は俺は、一体なんだ。なにかなにもなんでさえ分かりやしない。
もう誰も好きにならない。誰も頼らない。殺したくない。俺は人を殺す化け物だから、誰かを好きになって一緒にいたら駄目だ。また、一緒に死んでもらいたくなってしまう。そうに、決まっている。




