白銀の少年の嘆く決意の約束を
「ハイデ! なんだよこの服は!」
「とっても可愛いよエディ!」
「ぎゃー!! ひっつくななつくなはーなーれーろー!!」
ふわふわっとしたマーメイドラインが可愛らしい勿忘草色のドレス。左の髪には深藍のリボンが巻かれている。
「これ女の服だろ!?」
「うん、エディに似合うと思って」
「……に、あうぅ!?」
ぎっと睨み付けてもうんっと幸せそうな声が返ってくるだけ。はーっと溜め息を吐いたら、肩に手が置かれた。
「ねえ、エディ」
「なんだよ」
「君の言っていたことを、僕も考えてみたんだ。だから、二人で考えよう」
「……うん」
俺には、ドゥルースと離れてから。ずっと、ずっと、考えていたことがあった。
「本当に……なりたいの?」
「おう」
俺が俺として生きるには、何をしたらいいんだろう。皆が俺みたいにならないようにするには、どうすればいいんだろう。
「苦しいよ、痛いよ。あそこは辛いよ」
「それでもいい。何もしないで生きるより、ずっとマシだから」
誰かが苦しんで、誰かが泣いて、誰かが死ぬ。そんな世界は、もう嫌だ。
「俺は軍に入りたい」
だって、世界が壊れるのは嫌。大切な人が死ぬのは、嫌。
だったら、俺が、代わりに全てを受ければいい。
「……変わらないんだね?」
「うん」
ふうっとハイデが溜め息を吐く。
「駄目か? ハイデは、嫌なのか?」
「それは、まだ君は子どもだし……嫌だよ」
「子どもでも、戦える!」
「うん。だから、止めるつもりはないよ」
椅子から立ち上がったエディスを引き寄せ、抱きしめる。
「君が決めたことなら、僕は反対しないよ」
「ハイデ……」
「でも、せめてでも」
ふわっと、ハイデが微笑む。
「僕にも手助けくらいさせてね」
大好きな、大切な、
「おう!」
人を守りたい。




