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『僕がいた過去 君が生きる未来。』本編  作者: 結月てでぃ
白銀の少年の嘆く愛の願い

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16/210

白銀の少年の嘆く化物の約束を

「君……」

 そっと、壊れ物のように扱ってくる少年から目をそらし、口元をぬぐう。

「やろうと思って、やったんじゃねーから」

 ただ、恐怖が理性を上回った時にのみ、こうなってしまうのだ。なにも満月だったから、という理由だけではない。

「飲みたくて飲んだんじゃない!」

 ぽつりと涙が零れた。それを強くこすってぬぐう。悲劇の少年だなんて、冗談じゃない。

「あ、れ?」

 少年が変な声を出したかと思うと、顔を両手でつかまれた。

「エディス、さん?」

「え!?」

 ぼそりと言った後、すぐに離して手を握り、そして後ろを向いてしまう。

「エディ……」

 近くによると、そんなはずない、とか言っているのが聞こえてくる。

「知ってるの?」

「え!?」

 そういうと、すぐに振り返ってきた。

「エディスさんを知ってるの?」

 服をしっかりと掴む手。真剣な表情。

「君?」

 そっと触れようと手を伸ばした。もう少しで触れると思った時、ぴたりと止まった。

「まずい」

「うん」

 ザワザワと小さいながらも、話し声が近づいてくる。

「おいで。君の話を聞こう」

 ぐっと手を掴んで連れて行こうとする。が、足で踏ん張る。拾った細身のナイフを向けて睨み付ける。

「悪いけど、行かない」

「危ない人じゃ、ないからっ」

「その言葉を言う奴こそ、危ない」

 ふうっと少年が息を吐く。

「君もエディスさんのことを知りたいだろう」

「……し、知り、たい、けどっ!」

「じゃあ、おいで」

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