白銀の少年の嘆く孤児の約束を
「おーい、そろそろ起きろっていの」
ごんごんと頭を叩かれる。
「ってえなあ。もうちょっと優しく起こせねーのか」
そこらへんから拾ってきた薄っぺらい新聞を体の上から落として起き上がる。
「だったらさっさと起きろ」
ぶっとつぶれた声を出す。薄汚い帽子を顔面に投げられた。
「へえへえ」
深く帽子をかぶる。エディスさんに似ている顔は目立ちすぎるためだ。
「なあ、左切らねいのか?」
兄貴分の少年が呆れたように見る。
「ああ。これは願掛けだからな」
長く伸びた左髪もまとめて中に入れてしまう。これも、汚れているとはいえ、とても目立ちやすい。
「ふうん」
薄っぺらい、拾ってきたコートに身を包むと少年がにやりと笑ってきた。
「今日はどこに行くんだよ」
「街」
「はあ!? なんでだよ!」
街は人が多い。そうなると汚らしい孤児の子どもは冷たい目で見られたり、変な目にあったりする。必然的に危険が高くなるため、普段は行かないようにしているのだ。
「今日、王様が来るんだってさ」
「王様……」
ぴたりと動きが止まる。
「お妃様や王女様まで来るんだぜい。見たくねいか?」
「見たい!」
「だろお?」
にやっと意地の悪い笑顔を向けてくる少年に抱きつく。
「そんなに嬉しいのかよっ! たかが偉い奴だろーが! 俺らとは全く関係ねいんだぞ!?」
にこっと嬉しそうに笑うと、呆れたように溜め息をつかれた。
「分かったから、俺から離れんなよ」
「うん!」
ぎゅっと手を握ると、照れくさそうに笑った。
関係なくないよ。だってもしかしたら、そこにエディスさんがいるのかも。そうしたら、僕にも関係なくないよ。……エディスさん、早く会いたいよ。




