白銀の少年の嘆く死出の約束を
「服と剣をください!」
「なっ!?」
機械を振りきり、屋敷へと戻った。本館の最上階。ドゥルースの両親の住む屋敷。ドゥルースの両親の暮らす部屋。
「お願いです! まともな服と剣を下さい」
二人の前に座り、頭を床につける。この屋敷は、もうじき崩れるだろう。魔物ではなく、人間の手によって。
「……何故、奴隷が今更そんな物を求める」
「死ぬ、ために」
ごぽりと唇から血が零れる。それでも構わずに真っ直ぐ、彼らを見る。
「この命はもう、長くありません。だから、だからこそ、僕は僕の愛した人のために、生きたい。誰からも必要とされなかった僕だから、せめて僕を愛してくれた人に僕の命だけでもあげたいんです!」
命しか、あげられない。君にあげられるのは、これしか。君がここで死ぬと言うのならば、僕も一緒に死なせて。
「だから、お願いします。僕を殺させてください」
ぽろぽろと零れ落ちる涙を見て両親は顔を見合わせた。そして一つ溜め息を吐くと、
「彼に服と剣を」
背後に控えている者に、手を上げた。
「ありがとうございます!」
顔を上げたエディスに父親は微笑む。
「私の息子は、いい子だったかい?」
「最高の、方です……っ!」
笑顔が、零れた。
父親はそれを見て、唇に苦い物を浮かべさせる。
「そうか。あれは、やはり人間だったか」




