第2話 逃亡
夕方頃、アディと共に家を後にしたシェラは最初の目的地であるリビアーヌ国へ迎う為、港へと歩みを進めていた。
「リビアーヌ国へ逃げても、追っ手は来るかもしれない。だから、リビアーヌ国の港に着いたら、リビアーヌ国の左端にある港に迎う」
「わかったわ。確か、港のルドリアから、ルパニア国行きの船が出ているわよね」
「ああ、出ているよ」
ヴァルローゼ国の港からリビアーヌ国行きの船はいくつか出ており。
リビアーヌ国とヴァルローゼ国は同盟国である。
その為、捕まる可能性が高くなるかもしれないと少しばかり不安になったシェラは俯きがちに呟く。
「リビアーヌ国の左端にあるルドリアまで、無事、辿り着けるかしら」
もし、捕まってしまったら自分は処刑されてしまうかもしれない。目の前にいるアディも逃亡に協力した罪に問われてしまうだろう。
「大丈夫だよ、シェラ。何があっても絶対に、俺は君を死なせたりしない」
強い気持ちが込められたアディの言葉にシェラは顔を上げて、隣を歩くアディを見るとアディは優しい笑みを浮かべていた。
彼女が死んでしまう度に、俺は、彼女と出会った日に戻る。彼女が死なない未来を作る為に。
一度目、初めて彼女と出会った世界線で、俺と彼女はリビアーヌ国行きの船に乗る前に彼女を追って来た第一王子の騎士であろう者の手によって殺された。
二度目は、リビアーヌ国に着き、リビアーヌの左端にある港に行く途中に、追っ手の騎士達に追いつかれ、俺と彼女は捕まった。
しかし、彼女だけが連れて行かれてしまい。第一王子を殺したという罪で処刑された。
彼女だけが死んでしまった二度目の世界線で、俺は自分を責めた。
何があっても絶対に守ると言ったのに守ることが出来なかった。
だから、次は自分の命に変えても彼女を守るとそう強く誓ったのだ。
三度目は、リビアーヌ国行きの船の中に潜んでいた第一王子の騎士達の手によって、彼女が殺されそうになりかけたが、俺は彼女を守り命を落とした。
だが、彼女もその後、亡くなったことを俺は知っている。意識が朦朧とする中、彼女も騎士に剣を突き刺されたのが見えたからだ。
そして、四度目。
四度目は何故か、彼女が倒れていた道に彼女の姿はなかった。何かがおかしい。
そう感じた次の日の朝。
新聞の記事で、彼女が処刑されたことを知った。
俺は自ら命を断ち、また過去に戻った。
そして、俺はまた彼女と出会う。
今度こそは彼女も俺も死なない未来になりますように。そう強く願って。




