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括弧類について

更新は不定期となりますm(_ _)m

 小説を読んだり書いたりしていますと、いろんな括弧類を目にします。エッセイ初回はこの括弧類について、調べたことをつらつら書いてみようと思います。


━━━━━━━━━━━━━

①括弧の種類と用法

②どの括弧を使う?

③括弧絡みの文法

━━━━━━━━━━━━━

(注意!)

これから書くことは、私がいろんなサイトを見て調べたことに、若干の私感も織り交ぜたものに過ぎません。出版業界の基準とは言いきれませんからね!




ーーーーーーーーー

①括弧の種類と用法

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 まずは括弧類の主な種類と用法を挙げてまいります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「」(鉤括弧):会話表現、タイトル、強調、

         引用、区別


『』(二重鉤括弧):作品名やタイトル、「」内の会話表現、強調


()(丸括弧):補足、注記、漢字・外国語の読み、心の声、小括弧(数式)


【】(隅付き括弧):目立たせたい部分の強調、キャッチコピー(タイトルや見出し中でよく用いられる)


〔〕(亀甲括弧):(主に縦書き文で)強調・補足、()「」内の補足・注記


{}(波括弧):目立たせたい部分、見出しの一部の強調、中括弧(数式)


[](角括弧):強調、補足、注記(日本語なら全角使用)、発音記号、数式(大括弧)


〈〉(山括弧):強調、引用


《》:〈〉内で強調したい語句に使う


‘ ’(コーテーションマーク):英文での「」。日本語では横書きで「」代わりに使われることも。引用文、特に明確に区別したい語句に用いられる


“ (ダブルコーテー)(ションマーク):英文での『』。日本語では横書きで『』代わりに使われることも。引用文、特に明確に区別したい語句に用いられる


〝 〟(ダブルミニュート):強調

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 調べてみてわかったことですが、『』や《》のように、二重線の括弧類は一重線の括弧の中に入れ子――「……『……』……」や〈……《……》……〉のように――にして使うのが一般的なようですね。上には載せていませんが、二重丸括弧、二重亀甲括弧というものもあるらしいです。





 紹介した括弧類のうち、馴染み深いものもあれば、ほとんど見かけないものもあると思います。


 例えば、[]、{}、〔〕、‘ ’と“ ”の五つ。


 []と{}は、数式のイメージが強くないですか? 

 ‘ ’や“ ”は、横書きで強調に使われている例も見かけますが、古い考え方のおばちゃんには『英文用の記号』というイメージが強いです。

 〔〕は、論文や公式文書、新聞の引用符として使われるんだとか。なんだか堅いイメージですね。




 一方、「」や『』に()、それから【】は小説でもよく見かけるのではないでしょうか。


 では、改めて後者の用法を復習(さら)っておきます。先ほどの用法に加えてラノベ・ネット小説特有の用法も加えてあります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「」:会話表現、タイトル、強調、引用、区別


『』:作品名やタイトル、「」内の会話表現、強調、通常の会話表現に敢えてこちらを用いることでキャラの特殊性を演出


():補足、注記、漢字または外国語の読み、心の声、小括弧(数式)、「」内に入れ子にしてコソコソ話・訳または本音、地の文中で作者のツッコミ


【】:目立たせたい部分の強調、キャッチコピー(タイトルや見出し中でよく用いられる)、魔法詠唱、技名、アイテム名、地名(場所の名称)、人名

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ざっとこんなものでしょうか。いやぁ~、『』()【】って、すんごいたくさんの意味を背負っていますね。使い分けが大変そう。


 あと、「「「……」」」のように「」や()を何重にもして、複数人が声を揃えて言った、思ったを表現するのも、ラノベやネット小説特有の使い方ですね。調べてみますと、この用法は ()()()()() 日本語としては誤用だそうです。(※今は誤用とされていても、『浮き足立つ』のように当初は間違いとされていた使い方が市民権を得て一般化する可能性もなきにしもあらず)





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②どの括弧を使う?

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 小説(物語)を書いていますと、特に「」『』()はよく使いますよね。よほどのことがない限り、この三つで事足ります。他の括弧に手を出そうと思うことはないはずです。


 では、皆さんに質問です。


【問】

 小説のワンシーンに四人の人物――普通の人、念話で話す人、霊感のある人、幽霊を配置します。

 このワンシーンにおいて、四人全員に台詞を言わせ、なおかつ、シーンの中で『砕けた文体の手紙』を読ませたいとき、あなたはどう表記しますか?


まあ無茶振りですが。


【回答その1】

 全ての台詞と手紙の文面を「」で表記し、その都度地の文で補足説明――例えば、幽霊の台詞の後に「幽霊は普通の人に話しかけていますが、残念ながら幽霊の声は霊感のある人にしかわかりません」の一文――を入れる。


 無難な方法ですが、「」の度に補足説明が必要になりますし、同じ説明を繰り返すとクドく感じます。



【回答その2】

 普通の人の台詞を「会話文」、念話の台詞を『会話文』、幽霊の台詞を「(会話文)」と表記するとしましょう。手紙は“文面”で。表記ルールを作るわけですね。


 一見とても合理的な方法のように思えます。けれど、複雑な表記ルールは覚えるのも使うのも大変です。読者が複雑な使い分けを覚えて正しく認識してくれるかだって、あやしいですよね。





 括弧というのは、とても便利なものです。例えば、『小さき者よ』と書かれていれば、特に説明をしなくても「何かのタイトルかな?」と人は勝手に解釈してくれます。なぜなら、①ではじめに挙げた『一般的な用法』に基づく解釈で ()()()()()、もしくは ()()()()()() と思ってくれるからです。


 逆に、そこから外れる用法は、読む相手に疑問と違和感を抱かせるのではないでしょうか。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

違和感や「なんだこれ?」感は、時に読者にストレスを与えます。

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極端な例ですが、


{おかえりなさい!}


「」の代わりに{}で会話文が表記してある小説。あなたはどう感じますか?


 もしかしたら、先に挙げた【問】のような状況に陥って、やむを得ず{}を使ったのかもしれません。特別感や独自性を出そうとしたのかもしれません。


 でもやっぱり変ですよ。{}は会話表現用の括弧ではないのですから。


 主に会話表現を例に挙げましたが、できる限り、『一般的な用法』から外れない使い方をしたいものです。

 万が一【問】のような状況に陥った際には、以下のように『誰の台詞か』を明確にする要素を盛り込むのがいいのかな、と思います。 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・前書きに注釈を入れる

・キャラごとに口調を変える

・会話文の表記法を変える(【問】なら、幽霊の会話文だけ全部カタカナ表記にするとか)

・罫線を活用する

・地の文に補足説明、もしくはキャラの仕草を混ぜ、誰の台詞か明確化させる

・通訳係に代弁させる形を取る

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 他にもやり方はあるかと思います。


《例その1》 コソコソ話

「コソコソッ(実は今、僕お腹ピーピーやねん)」

「コッソー?! コソコソッ(おま、今から娘の結婚式のスピーチやろ? 大丈夫なん?!)」


※ただ「(会話文)」で書くよりわかりやすいかも。




《例その2》AIの台詞『あなたを笑顔に』より

ーーーーーーーーーーー

ダウンロード100%完了

インストール…

……失敗

権限者の許可が必要です

ーーーーーーーーーーー 


※作中の旧式アンドロイド『ユキ』に組み込まれたAIの台詞部分。外部には聞こえないので「」を使わず、罫線使用。旧式、ということで昔のウィンドウズの起動画面風にした。



 他にも、おもしろい工夫があるかもしれません。





ーーーーーーーー

③括弧絡みの文法

ーーーーーーーー


主に「」『』()についてのお話です。


(1)「」で括られた文章の最後には句点(。)を打たない

  【例】

    〇 「こんにちは」

    △ 「こんにちは。」


 ※句点を打つのも間違いではないです。一般的で

  はない、ということのようです。




(2)「」の前後には読点(、)を打たない

  【例】

    〇 エリンギマンが「うへ?」と言った。

    ?エリンギマンが、「うへ?」と言った。


 ※これ、賛否があるようですね。私の書きかけの

  長編に、以下の文があるのですが、「」前の

  読点を削ったらおかしくないですか?


〔どうしていいかわからない文〕

そこで言葉を切り、「アンタも見とくか?」と、イーノックは腰をあげ、顎をしゃくった。 


 とりあえず、以下のように校正しましたが……


〔校正後〕

そこで言葉を切り、アンタも見とくか? と、イーノックは腰をあげ、顎をしゃくった。


 ちょっとモヤモヤします。調べても読点打ってOKて言ってる記事もあれば、読点は必要ないと言っている記事もあります。どっちだ?



  

(3)「」の会話表現の後も、一字下げする

  【例】

    〇「私の女子力は誰よりも高い」

      と、目の前の男が言った。


  ※字下げしなくても間違いではないです。

   これも一般的ではない、字下げした方が見栄

   えがいいから、というもののようです。




(4)()が文末にあり、なおかつ()内がその文の注釈である場合、句点は()の後に打つ

 【例】

   腰巾着を主人公とした小説が読みたい(ただし、下克上はしないものとする)。




(5)()内の注釈が、文章全体の注釈であったり、筆者名、クレジットの場合、句点は()の前に打つ

 【例】

   しかしそうした重装備のローマ兵に、短剣一

   丁で果敢に抵抗したダーキア人が有名になっ

   た。

    これが元で、ダークス(羅、Dācus:

   ダーキア人の)は『短剣』と同意語になり、

   イタリア語のダガ(伊、daga)が

   生まれた。(『図説 西洋甲冑武器事典』

   三浦權利著)



 他にもルールはありますが、物語なりエッセイなり書いていて気になるのはこれくらいでしょうか。また気づいたことや気になったことがあれば、書き足すかもしれません。


 あれこれ調べてみて、た~にゃんは大事なことに気づきました。


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校正は、物語を書き終わってからだともう遅い

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 既に誤用をさんざんやらかしております。短編はすぐに直せるとしても長編は……ガクガクブルブル。ここまで書いておいて、ブーメランも甚だしい。


 自作を読み直すのは楽しいです。けれど、校正となった途端眠くなる不思議。

 括弧をはじめ、正しい文法は、できれば書き始める前に知識を得ておきたいですね!

 『括弧類の使い方』について書いてある書籍を見つけることができませんでした。なので、上記の内容はすべてネットの情報に基づくものです。

 不思議なもので、括弧類の扱いって国語辞典(家にあった大人向け・小学生向け二冊)にも、大辞林にさえ載っていませんでした。図書館で探したら、論文の書き方関連の本にほんのちょっぴり書いてあったくらい。何を見れば、確かなことがわかるんでしょうね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いやーカッコにもいろいろあるんですね! 勉強になりました! [一言] 私なら…… 普通の人と霊感のある人には「」を使い 念話で話す人と幽霊には『』を使います。 さらにカッコ内に「。」を…
[一言]  私の愛用書『文章上手になるチェックリスト』(二木絋三・著、日本実業出版社)でも括弧の使い方は説明されていますが、概ね同じ内容です。  この本が平成の頭ぐらい、三十年前の年代物ですから、現状…
[一言] 書きはじめの頃、こういうのいろいろ調べたなーと懐かしくなりました。改めて見ると、自分も「一般的な用法」から外れた書き方をしているときが結構あるんだと気付かされました。 作風や場面に合う表現…
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