句点突然死症候群
「あなたは句点突然死症候群ですね」
と医者は言った――瞬間、
「わー!」
と医者が突然叫んで、
「あなた、今死ぬところだったんですよ! 流れを止めないで!」
と忠告した――瞬間、
「わー!」
とまた医者が叫び、
「ほら! また止めようとしたでしょう! 思考を止めないで!」
と言われたので、俺は思考の流れを止めないように、
「ど、どういうことですか」
何を言っているか分からないですよ、と言葉を継ごうとしたところで医者は息を吸い、
「ほら、会話にも句点をつけようとしたでしょう!」
と言うから、俺は本気で何を言っているんだ? と思いながら、
「何がどうなっているのか分からないですよ」
「句点突然死症候群、それは句点、つまり文章の切れ目に丸記号が入る隙ができた瞬間、突然死んでしまう病気です」
「は?」
俺は何か分からなかったが、句点をつけたら死ぬと脅されているので、息が詰まりそうなほど休む暇がないまま、とりあえず息を吸わなければ窒息しそうなので息を吸い、
「そんな馬鹿な」
「ありえない、と思いますか? そんなことはないです! 今まで句点をつける隙を作って生きてきたのに? 何を言っているんですか! あなたは私が診断した瞬間から創造されたので、そんなに生きていません!」
と医者は情緒不安定気味に喋っているが、医者の言っていることがよくわからないまま、
「はあ、そうですか」
「そうです」
「って言っても、別に俺が死ぬだけなんだから、俺が句点を使わなきゃいいってのに、なんであなたが句点をつけないで話をするんですか?」
「それは私も、いや、この世界の人間すべてが句点突然死症候群だからです」
「まさかそんなわけない」
「いえ、そのまさかです! じゃあちょっと診察室から出てみてください」
と医者は言うので、俺は一度診察室から出てロビーをのぞいてみると、
「えっ」
と俺は驚いてしまったところで、
「大丈夫ですか」
と医者は言うので、
「あ、あああ」
と慌てふためいて、俺の見ている光景はあまりに悲惨であり、ロビーには何人かが倒れており、ふたりの若者が無言で虚空を眺めているところを確認したとき、
「こういうことですよ」
と医者が呟いていて、俺はもう怖気づいてしまって脚の力が抜けてしまった――ところで頑張って立ち上がり、九死に一生を得たと安心し、
「油断しないでください」
と医者は続けて、
「いつ句点がくっついてしまうのか分からないですから」
と医者は息を吸い、俺は医者の言っていることは確かにその通りだと思って、そういえばなんであの若者はまだ生きているのだろうと思い、
「なんであの人たちは生きているんですか?」
「それは、無我の境地に達したからです」
「どういうことですか?」
「無我の境地に達すると現から解放され、ここには虚無のみ、すなわち句点や読点、その上文章すら創造されなくなるんです」
と言い終わり医者は呼吸して、俺が、
「それって死んでません?」
と問うと、
「いえ、事実生きているでしょう」
と言下に答えを返すので、
「なるほど」
と俺は納得し、そして何だか環境に順応してきたなあ、と思いながら、
「じゃあ俺たちも無我の境地に達すればいいということですか?」
と質すと、医者は首を振り、
「いいえ、そういうわけにはいきません! 無我の境地に達すれば何もできなくなります! あの人たちはすべてを諦めた者なのです」
医者は一回呼吸して、
「と言うことで、私たちはあの人たちとは違い自由に動くことができます! 思考か会話さえ止めなければ大丈夫です」
と医者が言い終わったところで、俺はふと疑問に思って、
「え、じゃあ、寝るときはどうすればいいんですか?」
「意識が飛ぶ寸前まで思考を停止しなければ大丈夫です」
「それって難しくないですか?」
「まあ、でも、慣れません?」
「慣れないと思います」
「そうですか?」
「たぶん、今日の夜が人類最後のときかもしれません」
「まあ、私だけは生き残るでしょう」
「え、俺は?」
「まあ、死ぬでしょう」
と医者は言うものの、まあ俺は死ぬんだろうなあ、と思ってはいて、
「そうですか」
と言うと、医者は言下に、
「さて、外に出ますか」
と提案したので、
「あれ、仕事はどうするんですか?」
「ああ、たぶん患者さんはもう来ないです」
「そうですか?」
「ええ、もう死んでいるかもしれませんし、それか無我の境地に達したか、まあ来ても診断結果は『句点突然死症候群』としか言えませんし、薬などは処方、というか存在しないのでお引き取り願うほかないですね」
と医者が言い終わると思い切り息を吸い、そのすぐ俺は、
「そうですよね」
と適当に返して、俺たちは外に出ることとなった――けれどどうして医者と一緒に行動しているのだろう? と思いつつ、外に出るとそこら中に死体が落ちているのを見てしまって、やっぱり慣れていないからか気分が悪くなり、
「ちょっと気分が悪いです」
と伝えたが、医者は、
「ああ、でも大丈夫ですよ」
と返答し、
「いずれ慣れます」
と言ったが、慣れたときに俺は俺のままでいられているんだろうか、と思いつつ、
「そ、そうですか」
と納得し、
「さて、どこに行きましょうか」
「え、行くところあるんですか?」
「じゃあ、レストランに行きましょう」
と突然、食事を提案したので、
「いや、従業員はいるんですかね」
と返すと、
「さあ、どうでしょう? 言ってみれば分かりますよ」
と言うので、確かに一理あるなと思ってしまった俺はレストランへ向かうことになったが、その道中、老若男女の死体がごろごろ転がっているものだから、死体に不慣れな俺はついに吐いてしまったが、医者が介抱してくれたおかげで少し体が楽になって、
「さあ、行きましょう」
とまだ体調が優れない俺に言ったので、せめて少しだけでも休ませてほしいと思いつつ、再び歩き始め、その最中、俺は疑問に思ったことがあったので、
「そういえば、どこのレストランに行くんですか?」
と尋ねると、
「そうですね……やっぱりステーキなんてどうでしょうか」
という返答で俺は一瞬だけ苛立ちを覚え、なんでこういう死体がいっぱいある状態で肉を食うんだ、と思ったがとりあえず、
「その心は?」
と訊くと、
「ステーキくらい美味しいものなら思考が止まらないと思いまして」
と答え、確かにステーキなら美味しすぎて感想が止まらなくなるだろうな、と思ったので、
「行きましょう」
と返してレストランへ向かい、一度死体につまずいてこけそうになりながらも、ついにステーキレストランに到着し、窓から店内をのぞいたが、そこには死体がいっぱいあったので、ここでステーキ食べたら食欲が失せるなと思っている最中、医者は、
「さあ、入りましょう」
とまったく躊躇しないで入口の扉を開いたので、俺も医者についていくと、中には従業員らしき人が天井を仰ぎながらぶつぶつ独り言を言っていて、俺は、
「あれ、何しているんですかね?」
と医者に尋ねると、
「あれは句点を作らないようにしていますね」
「ああ、なるほど、そういうことですか」
と返し、続けて、
「俺たち以外にも気づく人がいるんですか?」
と尋ねると、
「まあ、何人かはいるでしょう! さて、食べましょう」
と我先にとテーブル席に向かっていったので、ああイカれてるなと思いながら席に座り、医者がメニュー表を机の上に広げ、
「さて、何を食べましょうか! 今日は私の奢りです」
というセリフを聞いた俺は内心喜んだが、そもそもこの店は機能しているのだろうか、注文すればステーキは出てくるのだろうか、というか従業員が機能しているのかすら分かっていないまま、
「私はこの黒毛和牛にしますが、あなたはどうしますか?」
と訊いてきたので、
「じゃあ、同じやつで」
と答え、医者は、
「分かりました」
と注文するためにベルを鳴らしたが、一向に従業員は来ないので、
「あれ? なんで来ないんでしょう?」
と医者は疑問を呈するが、当たり前なんだよな、と思っているうちに、医者はいつの間にか独り言をぶつぶつ言っている従業員に近寄っていて、俺は驚きながらも、医者と従業員のやり取りを聞くほかなかったので耳を澄ますことにし、医者が、
「あの、すみません」
と伺い、従業員は、
「雷に舞い降りた天使があの人の声のように羽ばたいて苦しみを帯びながら神々が私たち人間に裁きの鉄槌を与えたので皆さん人間が死んでいくのだと思っていたわけではなく狂おしいほど有名な感情にいたく気に入られてすべからく勉強はするべきだけど私はまったく勉強しなかったのでたぶんそれが原因で」
「黒毛和牛200グラムを二皿ください」
「ゆくゆくは世界に不透明な水に包まれながら鮎や虻を生け捕りにして食べて美味しいって言われて私はとても嬉しく思うけれども何故か突然こんな状況なのに白衣を着た男たぶん医者に黒毛和牛200グラム注文されたけど今この男はこの状況を見てなんで注文したんだろうと思うけど」
「黒毛和牛200グラムを二皿ください」
「無理だと言えない性格だった私だけど今なら無理です注文できませんというかシェフが死んじゃってここの従業員は私だけととりあえず言っておきますがこの話を聞いているのかどうか分からないような表情でまた口を開いて黒毛和牛200グラムを二皿くださいと言いそうな顔をしていますが私にステーキを焼く技術は持っていませんので今日限りでこの店は閉店しましたというか今から閉店しますのでどうぞお帰りくださいどうかお願いします早く帰ってくださいいてもらっても困りますから早く行けって言ってんのが分かんねぇのかよ早くしろよもうなんで早く」
「帰りましょう」
と俺は医者を引っ張って店を出たのだが、
「なんで出たんですか?」
「いやどう考えたって無理でしょ! あの人はステーキを焼けないって言ってましたよ!」
「ああ、そうですか? それは残念」
「ま、諦めてどこにしましょうか」
と考え始めて、医者はため息をつき、息を吸って、
「ええ、そうですね。じゃ」
あっ、句点、と気づいた瞬間、医者はドサッと倒れてしまって、
「えっ、マジで、えええええ、マジかよ!」
と俺はパニックになって必死になって心身を落ち着かせようとするが、今さっきまで話していた人が突然死んでしまった、というか本当に死んだのか確認するために脈を取るが、間違いなくドクドクいっていないので、死んでいる、と思うほかなく、
「なんで死んだんだよ! お前が油断するなって言ったじゃないか!」
と叫んだが、医者からの返答はなく、さっきまで喋っていた人が突然死んだことにやっぱり戸惑ってしまうが、でも、ふと思うと、こいつは今まで必死に生きようとしている従業員に注文しようとするくらいイカれたやつだから、まあ死んでも仕方ないか、と倫理が欠落してしまった感想を持って、
「さて、とりあえず家に帰ろう」
と俺はアパートに帰って、靴を脱ぎリビングに向かうと、そこにはなんと母親が無我の境地に達した状態で座っていて、この人はもう現実に戻らないんだなあと思い、ここにいるとなんだか悲しくなってしまうので、アパートを出て泊まるところを探している道中、
「よう」
と突然、謎の四十代のおっさんに声をかけられたのでとりあえず無視したが、
「いや、待てよ! お前やっぱり死んでないのか?」
と尋ねてきたので、俺は失礼だと思いながら、
「そりゃあ生きたいですから」
と言い残して去ることにしたが、おっさんに肩をつかまれて、
「ちょっと、いいところに行かないか?」
と訊かれ、俺は組んずほぐれつの関係になりたくなかったので、
「嫌です!」
と叫び、腕を振りほどいてこの場を走って逃げ、たぶん三キロくらい走ったところで背後を見ると、そこにはまだおっさんがいて、俺は惨い恐怖に侵されて、おっさんが、
「待てよ! お前何か勘違いしてねぇか!」
と叫びながら追いかけてくるので、もうへとへとな俺はこのおっさんに身を委ねるほかないか、もうこの世は終末だしそういう経験もいいかな、と諦めていたところ、おっさんは、
「俺は別にそういう体の関係になりたいとかそういうことじゃなくて、お前に訊きたいことがあるんだよ!」
と言うので、訊きたいこと? とは何だろうと思って耳を傾けると、
「人目のないところがいいな、と思ったんだが、ここ、もう人目すらねぇな! そんでお前、あの医者はどこにいるか知っているか?」
と訊かれたので、
「医者はどこにいるか?」
とオウム返ししてしまったが、医者なんてたくさんいるから分からないです、と言ってやろうかと思った瞬間、先におっさんが、
「お前と一緒にいたはずの医者だよ!」
と言うので俺は、
「ああ、あの医者ね! 死んだよ!」
と言い放ってやると、
「そんな馬鹿なことがあるか! そいつが元凶なんだぜ! 死ぬわけがない!」
と衝撃の事実を述べたので、
「え? どういうことですか?」
と尋ねると、
「あいつ、この世界の創造神の化身なんだよ! あいつ、こんな状況なのに落ち着いていただろ!」
と返ってきて、確かにめちゃくちゃ落ち着いてたなあ、と思い出していたが、すぐにおっさんの言っていることがよく分からない内容だと気づいて、
「何言ってるんですか? 中二病ですか?」
と煽ってやると、
「そうじゃない! どうなんだ、落ち着いていただろ!」
「ああ、確かに?」
と一瞬だけ疑問に思ったのだが、それは最初、俺の命を救ってくれたときはめちゃくちゃ焦っていたような、と思い出し、
「でも、最初は落ち着いていなかったですよ?」
と言ったが、
「それはあれか? お前に診断したときか?」
と尋ねられたので、
「そうです」
と返答すると、
「ああ、そりゃあそうだ! 何せお前はこの世界の主人公だからな」
と唐突に少年漫画に出てきそうなセリフが飛んできて、思わず笑ってしまい、
「どういうことですか?」
と訊くと、
「この世界はここの外の世界の人間によって創られた世界なんだよ! そいつは俺たちを変な病気で殺すために俺たちを生み出して、都合の良い世界にする第一歩として医者とお前を創り出したんだ!」
とおっさんが言い終わり、ぜえぜえとしばらく呼吸して、そのあと、
「驚かなかったか! お前は突然病院にいて、突然医者に病名を言われて、何も思わなかったのかよ! メタ発言とかしてきただろ!」
と言われて思い出してみると確かに、
『ありえない、と思いますか? そんなことはないです! 今まで句点をつける隙を作って生きてきたのに? 何を言っているんですか! あなたは私が診断した瞬間から創造されたので、そんなに生きていません!』
と言っていたので、まあその通りなんだなあ、と感慨深くなりながら、
「そうですね!」
とだけ返し、俺は今さっき思ったことを訊くことにして、
「なんでそんなこと知っているんですか?」
おっさんは、
「そりゃあお前、俺は創造神の化身だからだよ!」
と言ったので思わず、
「へぇ」
と呆れたため息をついてしまい、
「え、じゃあ何、あんたの目的は結局のところなんなの?」
と尋ねるとおっさんは、
「医者を捜してそいつと融合してこの世界を終わらせるのさ!」
と猛々しく宣言したので、そういえばあの人は本当に死んだはずなので、
「融合って、死んだ人とできるんですか?」
「それは分からん」
「じゃあ融合できるか分からないですね」
「え、どういうこと?」
「あの医者、句点突然死症候群で死んだんです」
「えぇ、マジなの?」
とおっさんは呆れた表情を浮かべ、
「それはあいつが馬鹿なだけだな! とりあえず死んだのならあいつの死体はどこにあるんだ」
「確か、ステーキレストランのすぐそばです!」
「よし、行くぞ! 案内しろ」
「分かりました」
と会話を終え俺たちはステーキレストランに向かうと、やっぱり医者の死体はあって、そういえばあの独り言の人は生きているのかな、と店内をのぞいてみると、すでに倒れており、ああ句点使ったんだなとなんだか悲しい気持ちになっている最中、
「うわ、マジだ!」
とおっさんは医者を馬鹿にするような口調で言って、
「じゃあ、ささっと融合でもなんでもしてくださいよ」
と、終わらせてほしいという念を込めておっさんに言うと、おっさんは、
「分かったよ」
瞬間、おっさんは医者の死体にうつ伏せに乗っかり、えっ融合ってそういうこと? そんなところ見たくないわ、と思っていたところ、おっさんが医者の死体にくっつき始めて、まるでスライムのようにウネウネ動き出して、どんどん人型になったと思ったら立ち上がり、完全体のおっさんができあがったのだが、その姿は医者と大して変わっていなくて、
「できました」
と医者? が言うので俺は、
「え、どっち?」
と質問すると、
「医者のほうです」
と答えたので、あのおっさんより医者の意思のほうが強かったんだなと思ってみて、
「で、どうします?」
「え、何が?」
「終わりにします?」
「ああ、この世界を?」
「いえ、句点突然死症候群のほうです」
と聞いて、あれ? おっさんの言っていることと違うな、と思ったがそんなことはもうどうでもいいので、
「正直、ずっと思考するのだるいし、親も無我の境地に達したし、もういいです」
と言うと、
「分かりました」
突然医者の体が浮き上がり、この世界に光がもたらされ、世界はこんなに綺麗なんだなあと感慨深くなり、しばらくして医者は着地し、
「さあ、もう句点突然死症候群はなくなりました」
と言ったので、
「本当に?」
と尋ねると、
「ええ、本当です」
と言うので、
「じゃあ試してみてよ」
と言ってみたところ、
「いいでしょう。分かりました」
と言った瞬間、医者から光の玉が浮き上がっていくのが見えたが、それはともかく医者は確かに句点を使っても生きていて、しかも、
「ほらね」
と誇らしげに言うので、じゃあなくなったのかな、と思い、
「本当だ。す」
ごい、と言おうとした瞬間、突然立ちくらみが起こって、なぜ? 句点突然死症候群はなくなったはず、と思ったが、もしかしてこれは医者の策略じゃないのか、と思いついたので一瞬の間に考えると、解答が脳に入ってきて、この謎が解けたので解説すると、
医者となぜ融合したのかといえば、それは一度句点を使っても死なないようにしたのだと思われて、なぜなら、あの融合をした際、医者の体におっさんの魂が入っていき、最初に句点を使ったときに自身の命の代わりにおっさんを命を使った、
が、
医者の命はとっくにないので、ここにはもう一つの命が必要なのだが、それはあの独り言を言っている人の命であったので、句点を使った俺はもう死んでいくだけであり、死んでいく意識の中、ふとおっさんのセリフを思い出し、
『医者を捜してそいつと融合してこの世界を終わらせるのさ!』
というのは、主人公である俺が死ぬことで世界が終わるということだったのかと腑に落ちて、おっさんが言っていることは実は正しかったんだなと思いつつ、さらに序盤で医者が言っていたあのセリフを思い出していき、
『まあ、私だけは生き残るでしょう』
『え、俺は?』
『まあ、死ぬでしょう』
という一連の会話は本当のことだったのかと嘆き、ああこれがご都合主義かと思い、それに加えて、あの医者はやっぱりイカれているのだと怨嗟を抱きながら、俺は意識を失い物語は終幕する。