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第27話 恐るべき野望。その弐

お読み頂きありがとう御座います。

俺はアイスブロックで両腕を固めて盾役となり魔人の攻撃をブロックしていた。

最初は見えなかったが今では少し見える様になって来たがまだ攻撃までは難しい。

そこでパトリックさんに攻撃は任せてひたすらブロックに徹していたのだ。

しかし、致命傷には至らずパトリックさんが付けた傷も直ぐに再生してしまう。


ジリ貧の状態が暫く続いていたが、流石のパトリックさんも動きが鈍って来ていた。


「一体何が目的だ?」


〘目的??それはこの世界を破滅させる為に決まっているでしょう?その為の生贄ですよ〙


「な…何を馬鹿な事を…一体何を呼び出して世界を破滅させようと言うんだ?」


〘魔界の暴れん坊をちょっとね…まあ、楽しみにし給えよ…と言っても君達は見る事は無いかな〙


「ほ…ほう…大した自信だな…」


〘もうそろそろ終わらせますよ。もう飽きましたから…〙


とイキナリ速度が上がって俺ごとパトリックさんまで吹き飛ばされた!!

瞬間に移動した魔人はパトリックさんにトドメを刺そうと剣を振るおうとしたその時だった…。



《アインとブラッドをテイムしますか?》



イキナリ流れて来たあの声…咄嗟に「はい」と答える。


パトリックさんも魔人は俺が急に「はい」と答えたのでコチラを見た。


「メタモルフォーゼ」


俺の中で膨れ上がる力…その脚にはブラッドの脚が現れる。そして俺の頭には笠を被った様にアインが乗り魔眼が俺の左眼に装着されていた。




◆◆◆◆◆◆◆




逃げなさいと言ったにもかかわらず、サルナス殿は残って盾役をしてくれている。


正直、ありがたい…彼が盾役をしてくれるので何とか攻撃が出来る。

ただし、これ以上のダメージを負わす事は不可能だ。

魔人のほとんどは再生のスキルを持つ…その為にダメージは入るが、傷が再生する限りヤツを倒す事は出来ない。

しかもコイツは硬い。

私の剣が深く入らない為にダメージも少ない。

後一人でも居れば…と言い訳してしまう程に状況は悪い。


段々と私の剣筋が鈍りだして来た…やはり寄る年波には勝てない様だな…。


少しは名の知れたAランカーの冒険者だった私も、冒険者を引退してから何年かは悠々自適にゆっくりと休んでいた。

そんな私に先代の子爵閣下からお誘いが有った時、こんな老いぼれを頼ってくれたのが嬉しかった。

それ以来、教育係として当代の子爵閣下を育て上げて早や20数年、自分の後継者…などとは言わないが、せめて弟子と呼べる後釜を閣下に残したい…と思っていたが、どうやらそれも叶わぬようだ。


出来る事ならこの不思議な冒険者であるサルナス殿には生きて欲しいが…この状況では難しかろう。

思えば最初に出会った時にかなり出来る男だとは思っていたが、まさかこれ程の冒険者だとは見抜けなかった。

それだけに惜しい…この才能を此処で…こんな場所で散らすのは…。


その様な事を考えているとサルナス殿は突然、魔人に話し掛けた。

どうやら時間稼ぎの様だな…恐らく私の為なのだろう。

この状況で良く見ているものだ…本当に惜しい逸材だ。私の命で助かるなら…などと無理な事を考えてしまう。

だが、話していた魔人が突然更なる力を出して来た。

サルナス殿と私は吹き飛ばされてしまった!


奴め…恐らく遊ぶ為に力を温存していたのだろう。倒れた私の前に魔人はやって来ていた…全く見えなかった。

最後かと覚悟した時、不意に「はい」と声が聞こえた…見るとサルナス殿が言った様だ。


一体何が「はい」なのだろう?

するとその後にサルナス殿はこう言った。


「メタモルフォーゼ」


その瞬間彼が爆発したのかと思う程の覇気が彼から発せられて彼の姿が一変していた。


両足が…そうだ、サルナス殿が乗って来た甲魔馬のような脚になった。

そして頭にはあのメフィスト殿が造ったというゴーレムが、まるで笠を被ったか様に装着されている。長い触手が長い髪の様に後ろに出ている。そして左眼にはあのゴーレムの魔眼が装着されている。


(コレは一体…何が起こっているんだ??)


と、私が考えた瞬間にサルナス殿が視界から消えた!と同時に魔人が吹き飛ばされており、その後には蹴りを放った残身のままのサルナス殿が居たのである。



◆◆◆◆◆◆◆




人族をいたぶるのは最高に楽しい。


魔剣の衝撃波で斬り落としてやった腕を再生させた妙な冒険者と、中々の腕前を持った騎士とを相手に遊んでやっていた。


どうやら冒険者は盾役で騎士に攻撃をさせる様だ。冒険者は氷の魔法で腕に氷を纏わせてブロックしている…これも珍しい。

確か…トロルの上位種が使ってた魔法に似ている。何故、人族のコイツが使っているのか分からないが…。

そういえば再生もしてたな…トロルの血でも引いているのか?


騎士のジジイの剣の腕前は中々だ。全盛期は過ぎているだろうに…だがこのオレに致命傷を負わせる程の腕では無い。

手加減して遊んでやっているのは召喚術の時間潰しの為だからな。

楽しんでいたら冒険者がイキナリ声を掛けて来た。


「一体、何が目的だ?」


目的?そんな事決まっている。

人族を根こそぎ殺す…そんな災厄を与える事だ。そして魂を我が神に捧げる為だ。


〘目的??それはこの世界を破滅させる為に決まっているでしょう?その為の生贄ですよ〙


「な…何を馬鹿な事を…一体何を呼び出して世界を破滅させようと言うんだ?」


〘魔界の暴れん坊をちょっとね…まあ、楽しみにし給えよ…と言っても君達は見る事は無いかな〙


アレは見てからのお楽しみだ…中々見れない魔界獣だからな。残念だったな見れなくて。


「ほ…ほう…大した自信だな…」


〘もうそろそろ終わらせますよ。もう飽きましたから…〙


もう騎士は動きが鈍いし、この冒険者もこれ以上は何も無さそうだ…もうそろそろ召喚術も終わりを迎えるからな。遊びは終わり…そろそろ本気を出そうか。


オレは不意に魔剣で冒険者に一撃を喰らわせた!!勢い余って後ろの騎士にもブチ当たる。

倒れた騎士にトドメを刺そうと目の前に行った時に冒険者が突然に「はい」と言った。


一体誰と話しているんだと其方を見てしまった。


「メタモルフォーゼ」


ヤツがそう言った途端に物凄い覇気がヤツから発せられた!


その後イキナリ冒険者の姿が変化したのだ…何だコレは??


その瞬間オレは飛ばされていた…何が起こったのか良く分からない…。


そして倒れている事に気が付いたオレは、あの冒険者に蹴られた事を知った。何故ならオレの胸にはヤツの足…蹄の跡がクッキリと刻まれていたからだ!


(一体何が……)


考える隙もなくオレは再び吹き飛ばされてしまったのである。




◆◆◆◆◆◆◆




メタモルフォーゼした俺に更にあの声が聞こえてくる。


魔獣武装ビーストアームスのレベルが上がりました。サブスキルが解放され、魔獣力倍化を獲得しました。魔獣武装ビーストアームスのレベルが上がりました。サブスキルが解放され、魔獣平伏を獲得しました》


俺は魔人に蹴りを喰らわせた。

パトリックさんに怪我を負わせる前に魔人を吹き飛ばしてやった。


身体が軽い…今までの苦戦が嘘のように魔人の力に圧倒されなくなった。

もう一発蹴りを喰らわせた後でサブスキルを鑑定で確認した。


魔獣力倍化︰魔獣武装ビーストアームスした魔獣の数だけ全てのステータスが乗算される。


魔獣平伏︰9割以上のダメージを与えた魔獣は、如何なる魔獣で有ってもテイムする事が出来る可能性を得られる。


なるほど…この魔獣力倍化のサブスキルが俺を急激にパワーアップさせたのだな。しかし、魔獣の数だけと言う事は4体で4倍のステータスって事か??


そして次は…魔獣平伏??うむ…普通のテイムと何が違うのか??

すると頭の中に別の声が聞こえた。


『【アーカイブ】によると魔獣平伏は本来テイム出来ない魔獣でもテイムする事が出来る様になるサブスキルの様です』


(【アーカイブ】だと!!もしかして…ア、アインなのか??)


『はい。私は今、主の意識内において叡智のスキル代行として存在しております』


(…そうなのか…宜しく頼む)


『了解しました』


どうやら俺はアインと思考が繋がっている状態の様だな…。


さて、そろそろ魔人を倒して召喚術を終わらせるとしよう…魔界獣など呼び出される前にな!!


面白い、また読みたいと言う方は、ブクマや☆を頂けたら嬉しいです。

宜しくお願い致します。

投稿中の作品です。見て頂けると嬉しいです。


転生したら属性魔法を使え無いので、金属使役魔法を極めて生き抜く予定です。

https://ncode.syosetu.com/n0176gh/


精霊楽士は笛の音と共に〜テルミナ大陸魔戦奇譚〜【新作】

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