この世界のダンジョンと案内の
3話目です。今回は力話(?)です。どうぞ。
前回のあらすじ
ダンジョンに無地行くことになったヨ!
「…いやだけかよ!」
「それ以外何もなかったからね~♪」
本編
目の前にそびえるのはTHE ダンジョンといわんばかりの大きな入り口だった。
ちなみに前回テオが口走っていたのは、カイセツシャさんからの、アジャが意地を張ったとき用の台本だったらしい。とんだタイトル詐欺である。
「いや、それ『前回のあらすじ』でやっとけよ…」
「これ以上メタい話を盛り上げないでよ~アジャとカイセツシャさん~…」
そう言うと、テオは切り替えたようにダンジョンの方を向いて歩き出した。
「ほら~早く行くよ~アジャ~!」
「ちょ、ちょ待てよ」
入り口のすぐ真横には看板があった。
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| THE ダンジョン |
| 本日、アジャ様御一行貸し切り |
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「そういえば作者さん~、予約取ってあるって言ってたね~♪」
「これは酷い…」
そういうと、アジャ様御一行は、THE ダンジョンへと入っていった。
第一フロア 《お米とパンの聖なる双璧》
「左はお米の道~、お米しかない部屋~、おかず無しに突破できるか~!?
右はパンの道~、パンしかない部屋~、トッピング無しに突破できるか~!?」
「…テオ、何そのノリ…」
「入り口にあったパンフレットをそのまま読み上げてた~♪」
そういうとテオは縦長のパンフレットを見せつけた。
「…本来ボケ役の俺が何でツッコミを…」
というのも、パンフレットの存在は勿論だが、その右下に参加料金5000キュリエ+税とあったからだった。ちなみにキュリエは、日本円とほとんど同じ価値がある。
「えっと~、じゃぁ私はパンの道を行くから~、アジャはお米の道をお願い~」
「えっ!?別々に進むの!?何で!?」
「その方が面白いじゃん~、それに~、パンフレットによると~、結局合流するらしいからから大丈夫~」
「いや、そういうこと聞きたいんじゃ…」
そこでアジャは言葉が詰まった。そして溜め息を吐いた後、お米の道に進んだ。
「え~っ、アジャ~、何で今日はそんなに素直なの~!?」
するとアジャは振り返り…
「ま、いくら言っても、テオは俺と一緒の道には進まないだろうからな、絶対」
テオは一瞬唖然としていたが、すぐに笑顔になった。
「フフフッ、確かにね~、それじゃ~、また後で~」
そう言って、テオも、パンの道へと進んで行った。
「あぁ、また後で」
こうして、二人の旅は、新たな道へと進んで行ったのだった…。
次回から、本格的にダンジョンに入っていきます。どうぞよろしくお願いします。