二仕事目
ごめんね! 連続投稿はしないって言ったんだけど、連日投稿は今日含め明日もさせてもらうね!
あれから五分後。
ようやくご主人様がベットから起き上がりリビングへと向かって行った。それと同時に私もご主人様の後を追い、リビングへと向かった。
その移動している最中に、ご主人様が眠気によって倒れかけてしまい、私が支えて行くと言う事態になってしまったがようやく冷めてしまったご飯があるテーブルの席に座った。
「んうぅ、眠い」
「眠いじゃないですよ。早く食べてください。仕事に遅れますよ?」
ただ、席に着いた、と言う物はただの一つの段階にしか過ぎないのです。
ご主人様を見ていないと赤ちゃんみたいに、ご飯を食べながら眠ってしまうと言う事が起きてしまったりしてしまいます。
なのでここでの私の仕事は、ご主人様が寝てしまわないかを見ながらも私もご飯を食べなければいけないと言う大変な物なのです。
……これがいつも毎日続けているので、最近離れてきたのですが相当ストレスが貯まるということは変わりありませんが。
……本当にいつになったら一人でしっかりと目を覚ましてくれるのですかね?
「うぅ、純真無垢なマリネちゃんが鬼嫁マリネちゃんに変わっちゃったよぉ」
「誰のせいだと思っているんですか?」
そして、ご主人様は寝ぼけながら急に、そんな事を言い始めました。こういうふうに寝ぼけてでも言葉を発しているだけマシなのです。……最悪のときは目を瞑りながら咀嚼している時です。
そうなってくると一番はじめの「あと五分」という場面まで戻ってしまいます。
なので、適当にやりたいと言う感情もあるのですが、そうしてしまうと逆に疲労が溜まってしまうので、毎日本気でやっているのです。
正直言って、もう一体妹か弟を作ってもらえると嬉しいのですが……あの知的好奇心を満たすこと以外に興味がないご主人様が作ってくれるとは思えないのですが。
「うみゅぅ」
「私は食べ終わりましたので、仕事に戻りますね」
そんな風にご主人様の戯言を聞きながら返答しつつも急いで食べ終わり、そして私の普段の仕事へと移った。
もうわかっていると思いますが、私はこのご主人様の下でメイドをやっているのです。と言っても、今現状で言えばメイドと言うよりはただの子守をしている保母さんか、もしくは玩具、下僕といった状態で、あまり面白くも無いのです。
それにあんなダメ人間のもとに付くのは嫌なのですが、あの様な物でも私の創造主です。流石に、私だって恩を仇で返す様な性格はしていないのですよ。
「まずは掃除ですか」
そして、私は人間では無いのです。
ご主人様の知識的な好奇心の為だけに作られた、人工生命体、ホムンクルス。私は見た目や内部の構造などは全く人間と相違ないのですが、私はホムンクルスなのです。
一番私が人工的な物なのかと分かる証拠は頭にあり、私の頭には脳と言う物が存在していません。魔導結晶と言う物を代替にしている様ですが、正直あまり分かりません。ご主人様は本当に伝えるのが苦手で、多分あれはご主人様以外は誰も分からないでしょう。
「風の妖精よ、この部屋をきれいにしてください」
そして、更に人間とは違う事が有り、私はエルフ族などと同じく、妖精結晶が体に埋め込まれており、通常の人類が持つ魔力を妖精に与える魔力へと変換でき、私は通常の魔法も、妖精魔法も使える特殊な物になっています。
勿論、弊害と言う物はありませんが、これを外で利用してしまうと、国に捕縛されてしまいますので、使えない。と言う事だけが弊害ですかね。
「できれば、このお屋敷全体をきれいにしてくれると嬉しいのですが……」
そんな、妖精結晶を、エルフの王族が持つような妖精結晶が埋め込まれている為、私が魔力を与えなくとも、働いてくれる事が有ります。まあ、流石に無賃金で妖精たちを働かせるほど私は下種になったわけではありません。
流石に妖精たちが可哀そうですしね。妖精たちがご主人様ならば鞭を打ってでも働かせますが、無罪の妖精さんにはそんな事はさせません。
「ありがとうございます。じゃあ、魔力を上げますね」
妖精さんたちに、協力してもらい、お屋敷の掃除は計二、三分ですべて完了してしまったので……まあ、計算通りなのですけどね。私だって自由時間は欲しいですし、趣味の読書だってしたいですし。
別にご主人様が気にならないと言う訳ではないのですが、あの化け物レベルで魔法が上手なご主人様が負ける相手など、睡魔以外には何もないと予想がつきます。……そもそも心配して、「マリネはツンデレだねぇ? えへへ」とか言われたら不愉快なので、絶対にしません。
「じゃあ、あとはシーツの入れ替えと洗濯ですね」
洗濯は流石に私がやらなければいけない。
妖精たちはあまり力加減が苦手な様で、洗濯を一度任せた事が有りましたが、その時は良く分からない白い物体と化してしまったりしていましたしね。……それにメイドなのに自身が仕事しないのはどうかと思いますしね。私だって楽はしたいですが、ご主人様の様なダメ人間にはなりたくないのです。
「はあ、あんな成りしていても、五百年前の市場最高峰の魔導技能を持っていた賢者なのだから、本当に頭がいいんですよね」
そして、先ずご主人様のベッドのシーツを変えるために、ご主人様の部屋に入ると、ご主人様の部屋に置いて有る机には一つの手帳が置いて有り、その中には「魔導結晶を媒体としない魔導現象の発言方法について」と言う様なタイトル付けされていた。
そのあとには、魔導結晶がどうして魔導媒体とされているのか、媒体になるためには具体的にどの要素が必要なのか、別の素材を利用していろいろと検証されていた。
やはり、頭は良い。生活的に言えばひどいものだが。
「すんすん、やっぱり少女らしい匂いがするんですよね」
毎回毎回、別にご主人様が男性だったの時の様な強いにおいは全く感じませんし、別に不愉快にはならない匂い程度しか、少女特有の少し甘い匂いがする程度なので、別に毎日洗わなくてもいいと思うのですが……まあ、少女らしい匂いが嫌なのかもしれませんね。元々は容姿が整っていて、女性にはモテていたであろう顔でしたし。
「いい香り――――じゃないです。危ない。洗脳され掛けた」
そんな感じで、いつも通り、ご主人様のシーツの匂いをたのし――嗅いで確認していると、いつの間にか、ずっと嗅ぎ続けてしまい、いつの間にか五分程度ずっと嗅ぎ続けていたようだった。
……流石に私はそこまで変態的な趣味を持っている訳もないですし、そもそもご主人様なんて大嫌いですので、何か薬を塗られ、中毒性のある薬を塗られて、嗅ぎ続けてしまったのだろう。でなければ私がこんなことをする訳がないのです。
「……はあ、正直ご主人様に強く当たるのはつらいです」
勿論、本心は今言った事だけです。
実際、初めのうちはご主人様にベッタベタでしたが、そのうちご主人様のダメさに気付いてしまい、私が確りしなければまともに生活していけない位でした。なので結構以前からは厳しくしていたのですが、精神的につらいですね。
……結局、だめなご主人様を持つとメイドは大変ですね。
「さてと、湿っぽい話はこれ位にしましょう」
そう、私自身に言い聞かせて、他の洗濯物に手を付けた。
オーキスが普通に強すぎるよ。主にドゥーエが。