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職業不定賢者と人形メイドの日常  作者: lime
少女たちと男の出会い
1/16

一仕事目

 連続投稿は無しです。

 

 ある日、世界一の魔法技量を持つ賢者は新たな生命体を作り上げた。

 その名は人工生命体、またの名をホムンクルスと言う。

 今まで、数々の魔法使いたちが新たな生命、新たに作り出す生命。それの生成を望んだ魔法使い、賢者、錬金術師、本当に数多の人間が数多の年月をかけてもできなかった。

 そしてある優秀な魔法使いは「人工生命体の製造は不可能だ。よって人工生命体の研究を停止する」と言う事を発表し、それに付随し数々の魔法使いや国家が人工生命体の製造を中止、永久的な停止をした。


 そんな中、ある一人の賢者が人工生命体を作り出した。しかし、人工生命体は作れないと言う風に考えられ、その魔法的な裏付けもされていたことを成功させたと発表した賢者の名誉は地に落ちてしまった。

 しかし、名誉が地に落ちても、人工生命体が作れたと言う事を訴え続けた。

 ただ、所詮賢者も人は人、人工生命体ができたと信じられる前に寿命によって死亡してしまい、賢者は虚言によって堕ちた賢者と語り継がれた。



~~~~~~~~~~



「ご主人様ぁ、起きてくださいよー!」


 私の名前はマリネ。

 料理名と何一つ変わらない名前ですが、このマリネと言う名前は料理が由来ではありません。

 私の名前の由来はマリオネット。つまりは傀儡人形、操り人形が名前の由来となっているのです。

 別に私からすれば傀儡人形でも料理でも、ご主人様がつけてくださった名前ならばどちらでもいいのですがね。

 ……因みに、マリネ料理はあまり好きではありません。なんというか、私の存在意義にかかわるような気がするのです。


「むぅ、ご主人様! 朝ごはん出来てますよ!」


 そして今、私が大声で叫んでも全く目を覚ましてくれない、寝ている方が、私を作ったご主人様なのですが、名前をベヨネッタと言う風に言います。

 ……まあ、彼は、と言うより彼女は、推定年齢が五百歳以上も有る化物です。と言っても不死身な訳ではなく、不老なわけでもありません。

 魔法で転生を続けてここまでずっと生きているらしいです。

 職業は、色々とやっている方ですね。昔は賢者をやっていたようですが今は日雇い労働者みたいな感じで、職を転々としていますが、今は教師と言う職業に安定している様です。


「ご主人さみゃぁぁぁ!!?」

「うるさい」


 しかしながら、ずっと大きな声で叫びながらご主人様を呼んでいると、いつの間にか起きていたのであろうご主人様によって、布団の中に引き擦り込まれてしまい、すごくはしたない叫び声をあげてしまいました。

 本当に、今世は女の子に生まれ変わり、そして生まれ変わってから間もないことで、女の子だから引き擦り込まれても何も思いませんが、もし成人男性のご主人様だったら、確実に殴ってましたね。


「な、何なのですか! ご主人様、驚かさないでください!」

「んうぅ、あと五分」


 ただ、少女になってしまったご主人様は、と言うよりは、元々寝起きは悪かったのですが、さらに悪くなっています。

 そのせいで私の朝のお仕事は多くなってしまいますし、趣味の時間も少なくなってしまいますので、少しだけストレスは溜まっています。まあ、これは仕方が無いと割り切って貰わないとですね。ご主人様のせいなのですから。

 しかも、質が悪いことに、容姿が可愛らしい純情系の美少女に生まれ変わってしまったので、叩きに行くと言う事もあまりしたくはありません。……元々男の方だとは分かっているのですが……流石に少女を叩くのは、ねぇ?


「ご主人様、また仕事をクビにされてしまいますよ? 教師と言う職業を楽しんでいるのではないのですか?」

「そんなもんは知らん」


 結局、ご主人様は私の忠告を一切聞かずに、ふて寝してしまいました。

 まあ、幾ら精神が大人だろうと、身体は子供のなので精神が引っ張られているのでしょう。精神年齢的に言えばもう五百何十歳近くになっている筈なのですがね。

 まあ、それが本当に可愛らしいところなのです! 

 今は年相応で微笑ましいのですが……ただ、私を抱き枕にしながらふて寝するのは本当に止めてもらいたいです。全く動けないので。



「ご主人様? 別にふて寝するのはご主人様の勝手なのでいいのですが、私を抱き枕にしないでくれませんか?」

「……」


 ……全く持って反応がありません。寝息は不規則なのできっと起きているのですが、黙り込んでしまっていますね。狸寝入りを決めたようなのです。

 ご主人様はどれだけ朝が嫌いなのでしょうか。もしかして日の光が嫌いな吸血鬼と言う可能性もあります。

 ご主人様については大して情報はありませんし。


「はぁ、分かりましたよ。なら五分後に確実に起きてくださいね。起きなかったらどんな状態でも学校に連れて行きますからね」

「……うん」


 ようやく許諾してくれました。

 我ながら相当甘い判断をしてしまいましたが、このままずっと動けなくなるよりはましです。私だってご主人様に作られましたが、ご主人様の様なダメ人間ではないのです。

 と言っても、ご主人様は普通に頭が良く人間離れした知能を持っているので、私が変に口答えしようと、逆らえないのは目に見えています。そこだけは年相応ではないので可愛くないですが。


 あぁ、もう、ご主人様に作って、そして私のごはんでもある物がどんどんと冷えてしまいます。……何故ここまで私のご主人様はダメ人間なのですか?

 明日はついに新環境だ!!! (シャドバ)


 起源の光、終焉の闇って。結構昔に出た、「破滅の果てに汝が罰あり」」って言う混沌をもたらした、昏きそこより出でる者が一瞬頭によぎりましたね。


 あれは本当にひどかったぁ。


 

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