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第五章 ダンジョン

アルバは前夜、まったく寝付けなかった。

原因は魔法店長に付与された暗視ゴーグル魔法である。

夜なのに、昼。

まぶしい。

閉じても、まぶしい。

「……太陽、消えてくれないかな」

結果、羊を数える前に朝を迎えた。

集合場所へ向かうアルバは、大きなあくびをかます。

「あぁ〜眠い……ふぁぁ……」

父モートンは心配のあまり、旅行にでも行くのかという量の食料を用意してくれていた。

(……これ全部、収納に入れてるの見てたよね?)

(何も言わなかったってことは……父さん、天然?)

集合場所には、すでに美少女二人・男二人のパーティーと――

ギルがいた。

アルバ

「……なんでいるのさ」

ギル

「お前の親分だからな。晴れ舞台を見に来た」

ギル

「昨日コインに聞いた」

なぜかギルは美少女二人と肩を組んでいる。

一方、男二人は無言でギルを睨んでいた。視線が痛い。

ギル

「それじゃあ皆、気を引き締めて――」

男二人&美少女二人

(引き締まらない原因、目の前にいるんだけどな)

ランタンに火が灯される。

美少女の一人が手を挙げる。

「私、ミカ。魔法使いよ」

もう一人も続く。

「私はヨフィ、テイマー」

彼女はウサギに角が生えた魔物を抱いていた。

どう見ても可愛い。角が余計。

「彼らはゼフィとラグ。二人とも剣士よ」

「チーム名は“ギルティ”。よろしくね」

ギル

「オレはオールラウンダー」

一拍置いて。

「部下のアルバは……剣、槍、弓?」

アルバは黙ってうなずいた。

(雑な紹介だな)

ミカ

「私、照明魔法苦手なの」

その一言で、全員がランタンを取り出す。

文明の勝利。

ギルはコインを数枚、指で弾いた。

ギル

「偵察よろしく」

コイン

「任せとけ」

ヒュン、と飛んでいく。

しばらくして戻ってくる。

コイン

「そんなに広くねぇな。三層で終わりだ」

「もうすぐ吸血コウモリエリアだぞ」

アルバにも普通に聞こえている。

コイン、もはや全体チャット。

その直後。

バサバサバサッ!

吸血コウモリの群れが襲いかかる。

ゼフィとラグは――

片手で両手剣を振り回していた。

結果。

一匹も当たらない。

ミカ

「もっと正確に振らないと当たらないわよ!」

そのミカ自身も、

ランタンの光に映っては消えるコウモリに

ファイヤーボールを乱射。

十発撃って――

当たるか当たらないか。

ミカ

「……私も同じくらいだけど」

ヨフィは召喚獣を跳ばすが、

コウモリの高度に届かない。

ヨフィ

「きゃーっ!きゃーっ!」

結果、ギルにしがみつく。

ギル

「はいはい」

ヨフィを片腕で抱え、

もう片方で剣に炎を纏わせる。

ズバッ、ズバッ。

コウモリが次々と撃ち落とされる。

アルバは横目で見ながら、ぼそっと。

「……それ、オレがやりたかったやつ」

そう言いながらも、

アルバは冷静に剣撃でコウモリを落としていく。

静寂。

コイン

「次、ボスだ。でかいの来るぞ」

暗闇の奥から、巨大な影。

アルバは即座に矢を放つ。

ギル

「さすがオレの部下!」

間髪入れずに叫ぶ。

ギル

風魔法キバ!」

轟風が巻き起こり――

次の瞬間、コウモリボスの首が噛み切られていた。

ヨフィ

「……あれ、もう終わり?」

アルバ

(初ダンジョン、思ってたのと違う)

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