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第四十九章 終章

元皇帝は、長い沈黙のあとで口を開いた。

その声には、もはや命令の棘はない。

元皇帝

「君なら、この帝国をどう運営する?」

アルバ

「これまでと、変えません」

元皇帝はわずかに眉を動かす。

アルバ

「まず、新しいコインを発行します」

「それを、周辺諸国に配る」

元皇帝

「……施しのつもりか?」

アルバ

「いいえ。投資です」

「人は金を持てば、使いたくなる」

「使う場所を求め、自然とこちらへ足を運びます」

一歩間を置き、淡々と続ける。

アルバ

「こちらは、受け皿を用意するだけです」

「魅力的な特産品と、安定した流通」

「一度来た客は、必ず戻ってくる」

元皇帝は、初めて小さく息を吐いた。

アルバ

「政治の細部は、元老院に任せます」

「私は“流れ”だけを作る」

元皇帝

「……ほう」

そして、玉座から立ち上がる。

元皇帝

「ならば、やってみせよ」

アルバ

「……と、言いますと?」

元皇帝は、静かに、しかし逃げ場のない言葉で告げた。

元皇帝

「そのままの意味だ」

「この帝国を併合し、運営してくれ」

沈黙。

それは敗北の沈黙ではなく、託す者の沈黙だった。


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