第三章 コイン
アルバは、ひたすら楽しかった。
アルバ
「ねぇ兵士さん、ぼくのほうが強いって認めたら?」
兵士
「……ギルも化け物だが、お前も大概だな」
ギル
「フッ、だがな――」
急に胸を張る。
「親分の俺には勝てないけどな」
やたらと「親分」を強調してくる。
兵士
「今の流れでそこ主張する?」
ギル
「それでだ。コインとも相談したんだが――」
ギルが指を鳴らすと、
いつも横に浮いているコインの隣に、もう一枚コインがポンと現れた。
アルバ
「増えた!?」
ギル
「我、コイン連盟にお前を加えることにした」
コインA
「よう新人」
コインB
「相談役兼ツッコミ担当だ。よろしく」
アルバ
「コインがしゃべった!しかも二枚!」
ギル
「こいつがお前の相談に乗ってくれる。
しかもだ――」
さらにドヤ顔。
「我々チャンバラトリオの連絡網としても機能する」
ギル
「つまりだな」
アルバを見る。
「お前と俺、離れてても会話できるってことだ」
アルバ
「すごい!遠くにいても怒られる!」
ギル
「それは保証しない」
一拍おいて、ギルは手を叩いた。
「さて、それと――これから宝探しに行く」
アルバ
「宝!?」
ギル
「メイドが隠し扉に隠した
贈答用のお菓子を探す大冒険だ」
兵士
「宝のスケールが急に庶民的!」
ギルは気にせず、白霧のスペースを発動する。
足元から霧が立ち上り、景色が歪む。
ギル
「ほら、早くこい」
振り返りもせずに言い放つ。
「置いてくぞ」
アルバ
「待って親分!」
コインB
「今の呼び方、もう定着したな」
白霧の中へ、三人と二枚のコインは消えていった。




