第十三章 バーミヤン
アルバ
「ガンペイロの流れてない血が――騒ぐぜ」
コイン
「※流れてないなら騒ぐな」
象兵
「アルバ坊も立派になったもんだ。仕事を任されるまでになるとはな」
アルバ
「もうそろそろ来るんだよな」
象兵
「何が来るんだ?」
男
「ここでしたか。私、ヘルメス教団より派遣されました道先案内人です」
「現地とは話をつけてありますので、ご自由な場所で採掘してください」
「他人が掘っている場所以外なら問題ありません」
コイン
「めちゃくちゃ雑な契約だな」
アルバ
「……ここだな」
「プタハの祝福」
ズズン。
アルバ
「今回は振動3程度で済んだな」
次の瞬間――
ラピスラズリのインゴットが山積みになる。
ほどなくして地元の人間が駆けつけてくる。
地元民
「自由に取っていいとは言ったがな、三分の一は税として――」
アルバは無言でラピスラズリを全部収納。
アルバ
「ラピスラズリ?何の事?」
「まだ採掘も始めてないけど?」
コイン
「今、目の前の現実を否定し始めたー!」
象兵もヘルメス教団の男も、完全にフリーズ。
地元民は目をこすり、地面を触り、もう一度こすり――
地元民
「……俺も焼きが回ったかな」
首をひねりながら帰っていった。
象兵
「はー……笑い堪えるの地獄だったわ」
ヘルメス教団の男
「では、私の役目も終わりましたので……教団への寄付を」
ドサッ。
男の手に金袋が落ちる。
ヘルメス教団の男
「また何かありましたらお呼びください」
「次は……インドの香辛料でしたか」
一枚の羊皮紙を差し出す。
象兵
「書かれてるの、この辺だが?」
???
ヘルメス教男B
「こちらでお待ちでしたか。必要な品はすでに――」
ヘルメス教男B
「おいお前盗むな」
男
「見張りも付けてねぇお前が悪いんだろ」
すでに馬車の荷台に積み込み中である。
アルバは無言で――
馬車ごと収納。
男
「……俺の馬車は?」
アルバ
「見張ってなかったお前が悪いだろ?」
男
「馬車がいくらすると思ってんだ!」
アルバ
「だから見張ってなかったお前が悪いだろ?」
象兵とヘルメス教団の男、ついに耐えきれず吹き出す。
男
「俺を怒らせるとどうなるか分かってるんだろ!」
笛を吹く。
ワラワラと人が集まってくる。
その隙に――
アルバ、積み込み前の荷物も全部収納。
男は泣きながら指差す。
男
「あいつら!俺の馬車と荷物を取ったんだ!」
アルバ、ポケットを振る。
何も出ない。
アルバ
「濡れ衣はやめてくれ」
男、嘲笑に耐えきれずナイフを抜く。
――次の瞬間。
アルバは消えていた。
白霧のスペース。
アルバは馬車を取り出し、
「荷台の荷物だけ収納」
アルバ
「ほら、ご主人様の所へ帰れ」
馬の尻をポン。
賢い馬は、何事もなかったように主人の元へ歩いていく。
ヘルメス教団の男に金を渡し、
ヘルメス教団の男
「確かに、お代はいただきました」
そう言って去っていった。




