表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤狼学院物語  作者: 宅間晋作
中等部四年生から六年生編
21/22

異世界について

「……レルガは大丈夫なの?」


「大丈夫。 だってレルガよ」


「そうや! 狼くんを信じるんやで! ラファンちゃん!」


「そうです! レルガさんは無事です!」


 するとフィルノ学院に残されていた残りのメンバーはレルガとレドが戦っていた場所を見上げながら会話をしていた。



「あっ! あそこら辺時空のひびがあります!」


 するとロナが指を刺して指摘する。


「本当だ! そうだロナ! あそこを狙撃出来る?」


「分かりました! やってみます!」


 そう言ってロナがスナイパー銃を構えて時空のヒビを狙撃した。

 するとヒビがさらに広がって大きな空間が出来た。


「よしゃあ! 狼くんを助けに行こうや!」


「そうだね!」


「待って」


 鬼丸の発言にラファンが納得した時だった。

 背後を振り向くと黒髪で胸に七年生の証であるオレンジ色の星バッチをした少女ユクラがいた。


「私も連れて行って!」


「ユクラ先輩! ど、どうして!」


「こんなタイミングで言うのもアレなんだけど私は賢者師団の聖女なの! 賢者師団が開く転移門については知っているから手伝わせて!」


「「「「ええーー!?」」」」


 ユクラのカミングアウトに一同は大きな声を上げるしかなかった。


「えっ、ちょ、聖女って!」


「まっ、待ってくださいよ!」


「そっ、そんなの!」


「あーもーとりあえず行きましょう! 後輩達!」


 そう言ってユクラがラファン達を浮遊魔法で浮かせて、転移門に向かい潜った。

 その先の戦いが激しくなっている事を知らずに。



「はぁはぁ。 ここどこだ?」


 レルガが辿りつくとそこはとても暗い場所だった。


「ようこそ! 俺の根城へ!」


 するとザービスが両手を上げてレルガを歓迎していた。


「てめぇ! シャリンとダルウィンって言う冒険者に聞き覚えはあるか!」


「あん? そうだなぁ。 そう言えば五年前にそんな冒険者を殺した気がするなぁ。 別にいいけど!」


「はっ?」


 ザービスの発言にレルガは無言になった。


「……テメェはシャリンをマテリアルの粉で薬漬けにした挙句、俺に電話して来たじゃねぇか!」


「あー電話ってあれか! 屋場キノスの事か? そいつはもうこの世界にゃあいねーよ」


「……はっ?」


 レルガは衝撃の発言に固まった。


「……んだよ。 それ。 異世界召喚人か?」


「あーえーとなんかさぁモバイル? って言う人工生命体ってのを研究してる奴でさぁ色んな奴の死の情報とかを集める為に色んな異世界を回って研究して理論完成したからもう帰ったわ。 元の世界に」


「……誰だよそいつ! その異世界に行きゃあダルウィンとシャリンの仇を討てるのか!」


「……無理だよ」


「……あっ?」


 ザービスの冷淡な声にレルガは声を失った。


「はー分かってねぁなぁ。 俺らの魂はここで生まれたの。 で、異世界召喚者は違う法則の魂で生きてるの。 大体、こっから別の異世界にゃあ行けねぇよ。 何せあまりにも不規則な魔力のズレがあるんだからよ」


「……なんだよそれ」


 レルガは急な情報にショックを受けて固まった。


「まぁ。 色んな異世界があるってしれるのはいいがここはあくまで駅の停車駅の一つで俺らここから出られない箱庭の住人ってやつさ!」


「そうかよ!」


 そう言いながらバービスがレルガに接近し、大剣を振り下ろす。

 それをなんとか後ろへ飛んで避ける。


「それで! モバイルってなんだ!」


「この世界にはねぇ。 転生という概念が無く、電子情報と融合して生まれ変わる新しく進化した人工AIと人間のハイブリットってキノスは言ってたな」


「はっ! それで! そのクズはなんて言ってたんだよ!」


 そう言いながらレルガは拳を突き出して、ザービスの顔面を殴ろうとすると全て避けられた。


「キノスが言う事にゃあ。 まずは人工AIに死のデータを集めさせて、学習そして本物の人間の遺伝子を学習させて強い生命を作るって言ってたな」


「はっ! ゾンビかよ!」


「さぁな異世界の事なんてさっぱりだ! 今は俺はお前と戦っているんだぜレルガ。 復讐の狼くん」


「うるせぇよ。 黙りやがれ! 俺の仲間を家族を奪いやがって!」


「……別に俺は奪ってねぇぞ? だって俺はキノスの手伝いをしただけ。 だってみてみたいじゃん? そのモバイルって言う生命体」


「そんなものの為にシャリンやダルウィン。 そしてサウィナは死んだのか!」


「はぁ。 もうどうでもいいじゃん? 異世界の事なんだし俺らには関係ないじゃん」


「うるせぇ! 俺は必ず復讐を果たすんだ!」


「あっそうなら本気でこいよ!」


「オラァ!」


 レルガは突進し、ザービスの右頬をぶち抜いた。


「はっ! 痛くも痒くもねぇな!」


「うるせぇ! 黙れ黙れ! 黙れ!」


 そう言いながらレルガはザービスの大剣を奪い背後に投げ捨てて、そのままザービスに馬乗りで殴った。


「このこの! クズ野郎! クズ野郎! ふざっけんな! 異世界の技術のせいで俺の仲間は死んだのか!」


「ああっ! そうだぜ! お前の仲間は滑稽に死んだぞ!」


「もういいよ黙れよお前……ボルマ」


 そう言ってレルガはザービス全身を爆破魔法で爆散させた。


「……俺はなんの為に強くなろうとしてたんだ? えっ?」


 レルガが決着の虚無感を感じていると急に冷や汗が出た。

 背後を振り向くと黒髪の大柄な男がいた。


「我は宇宙帝ムザー。 汝を殺す者の名だ」


「……はっ?」


 するとレルガはムザーの撃ったレーザー砲に巻き込まれて意識が飛んだ。




 






 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ