エクストラ
ユキチャンに手をあわせ、バックパックに招き入れる
ミチルさんを揺り起こし
夜明け前に、テントを畳む
監視の人に声をかける
「おはようございます、ナギの時は、訪れそうですか?」
「ああ、おはよう、兆候が出始めている、あれ分かるか?」
山岳に目を向ける、昨日は、瘴気の流れにムラがあり、乱気流のようにうねりを見せていたが、
今は、流れが一定の方に流れ、山の鞍部の瘴気が薄くなっているように見える
「あの峠ですか?」
「そうだ、先人の転生者が、そこに道を切り開いた。君のその”パトリエ”でも登ることができる」
「しかし、凄い景色だ」
暗雲立ち上る山岳地帯、その道の先が白く光る。
自然の生み出した、壮大なゲート
それは、神の気まぐれによって開かれる
「瘴気じゃなければ、俺もそう思うが、そろそろ出発しても良いころ合いだ。1時間から3時間の間、開くことになるが君なら越えられるだろう」
「ありがとうございます。お世話になりました」
「おう!」
手続きをして村を出る
”パトリエ”にまたがるゴーグルと革製のメット姿の2人
とバックパックから身を出して巻き付くユキチャン
トーデンドさんが気を使い二人乗りの仕様になっている
ミチルさんを後ろのシートに乗せ、ステップに足をのせているかを見る
「しっかりとつかまっててください」
「”分かりました”」
村を後にして、光りに続く道に向け走り出した
暗黒の道の先、光を目指し”パトリエ”を走らせ続ける
それなりに、幅のある砂利道を進む、突風や、砂嵐を懸念して
姿勢を低くして踏破を目指す
ザザザザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
思いのほか、強い風は吹いてはおらず
今のところは、問題なく走行し
峠を越えて、下り道に差し掛かる
スピードを落とし、体のバランスをとる
少し、抱きしめる力が強くなる
登り始めて、10分ぐらいたっただろうか
村の監視員曰く、このぐらいのスピードなら30分もかからないと言っていた
下り道の方が長いかもしれない、しかしその分緩やかになっているはず
落ち着いて、運転していく
ズギン!
「う!」
急に左目が疼き始めた。
僕は、”パトリエ”を止める
「え?どうしました」
「右目が疼きます」
「それって、女神さまが近くにいるってことですか?」
「分かりません、左目ならそうなんですが、右目はいまだに何か把握してないです」
「そうなんですか、中二病の人って、なんか、そうなんですね」
”向かった方がいいかもしれません、気を付けて”
「ユキチャンが向かうように言われてる、時間ならまだ大丈夫…のはず」
目の疼きが強くなる、方向を向く、一見すると瘴気の壁だ。
「ミチルさん背中の服をつかんで目をつぶってついてきたください」
「わ…分かりました」
僕は、瞼を閉じ、瘴気の壁の中に、侵入した




