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ヒツナギヤ

ヒツナギヤ

それは、


「あっリョクさんあれ、ミルズス湖の方、花火みたいの上がってます、近くに行きましょう」

それとして、祭りを楽しむミチルさん


「分かりましたよ、えっとユキチャンこれ大丈夫ですか?」

黒いレースの布で目をお隠しにされた顕在なされたユキチャン


”ゆっくり”


「ミチルさん、ゆっくり回りたいです」


「む~わかりました」


日が傾き始めて


2人は、顕在なされたユキチャンと手をつないでヒツナギヤへ向かった


祭りの熱気、人だかり、喧噪な風景が見えるが

不思議と自分の周りは、静かな幕が降ろされているかのように

落ち着いて、人ごみに流されることがない

これは、どの方のご加護なのだろうか?


この国では定番らしい、硬めのパンに生サーモン、チーズとアボカド(のような果実)を

挟み、甘酸っぱいとろみのある白いソースをかけた料理、を僕らは、もぐもぐと食べながら

ゆっくりと進む


多分リームさんもセーカさんも来てるんだろうな

何となく中心の、炎の塔から離れつつ、遠目で観察する

その炎は、いつもよりも力強く揺れている


若い男女が壇上に上がり、長く稽古したであろう舞を打楽器とともに

堂々とかぶいている


それにしばし見とれつつ


「お面屋ありますよ、これリョクさんに会いそうですよ」


僕に、ミチルさんが狐の面を被せつつ


日が沈むころに、ミルズス湖に到着した


そこには、大きな燭台を乗せたクルーザーが遠くに

シンメトリーを描くように配置されている


ヒツナギヤ


その大祭の中で最も注目を集める催し物


「良かったちょうどいい時間みたいです」


「ですね」


手前のクルーザーがゆっくりとうごき

少し遅れてその1つ奥のクルーザーががその動きより少し早く動く

さらに奥もそれに続き

最奥にそれが伝達する頃、クルーザーは、最高速度を迎え

全てのクルーザーは、まるで鏡を通り抜けたかのように

最初と同じ絵を描いていた


喝采が上がる


それから、クルーザーは、左右2組に分かれ、鏡合わせのように

綺麗な線を描いていく


「あ!ハートマーク、泉に写り2重に見えますよ、凄く綺麗です」


「あぁ、来てよかった」

僕は心からそう思った


「ヒツナギヤのメインは、”日移し”にあるよ。国民の繫栄を願う儀式さ君らそれ見た?」

あっ厄介な人だ


「あぁ、すいません。えっと、そのこと知らなくて…?」


「そうか、てっきりガチガチに調べているものかと」


「?」


「そうだ、ミチルが隠してる手紙の内容なんだけど、次は、この国の外れにある寂れた教会に向かって欲しい、そこで、えぇ~そうだ、迷える魂ってのを導いて欲しい」


僕はバックパックに手を入れて、心をしずませた

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