試練場のお清め
炎試練場
その扉は、祭壇の奥に隠されるように
敷かれている、石畳の道の先にある
そこへ、祭壇へ向かい、何かに操られているように歩くトージ君
そこを、物陰に隠れ監視する
2人と顕在なされたユキチャン
2人は、
シャケのオイル漬けを
レタス(のような野菜)を入れたパンで挟み
黒コショウ(のような香辛料)を振りかけたもの
を食べながら
ひそひそと監視する
「見るって、こういうことですっけ?」
「昨日、僕らがこの村をくまなく探索することをトージ君に伝え、
ユキチャンの”引き寄せる力”を使っていただきました」
「”引き寄せる力”、それってリアルワールドでカルト的に信じられている
思えば何でも現実になるってやつですか?それじゃ”なんでもあり”じゃないですか」
「いや、いや、読んで字のごとくユキチャンに対して”引き寄せる力”が発生しています
だからトージ君は、僕らを探しています」
「そしたら、見つかるんじゃないんですか?」
「ここまで来たら大丈夫、もう一方いるじゃないですか、強力な”引き寄せる力”を
お持ちの方が」
「アマノヒメ様…」
「そこに、御開帳された試練場の扉、判断するのは、トージ君。
退屈な日常をとるか、刺激的な冒険をとるか」
「ふむ、ハムハム」
「ミチルさんこれ、ハーブティー」
バックパックから取り出す
「むぅ、ありがとうございます」
スーとティーを嗜む二人
試練場のお清め
それは、神聖不可侵な儀式で
巫女とその前任者の2名で行われる
前任者は、巫女の儀式を見守り
万が一、魔物が場合現れ場合、己が盾となり
巫女を安全な場所に逃がす
試練場のお清めは、<原初の日>を松明に灯し
入り口を開けて、最初のフロアから、
ダンジョンの奥に続く1本の道の前にその松明を置き
アマノヒメ様のお力を借りて
その道の先の試練場内を<原初の日>により焼き清める
その最初のフロアに魔物がいた場合、事故が起こるが
今まで一度も起こっていない
日の光が心地よく感じる10時
祭壇にある<原初の日>の前に村の少年トージが立っていた
「白蛇様の人たちが見当たらない、まさか、この先に行ったのか?」
この日、この場所には、立ち入ってはならない。
そのことは、村人なら絶対に知っている
もしかして、教えてもらっていないのか?
思考がまとまらずトージは、その場に立ちすくんでいた
その時、小さいが確かに聞こえた、悲鳴のような声が
「!」
気付いたら、試練場入り口に走り出していた
遠目に見ていた2人と顕在なされたユキチャン
「!イベントが始まりました、僕らも行きましょう」
「はい」
静かに素早くトージ君に気づかれないように進む
「入り口は、この奥!」
凄いプレッシャーを感じる
リアルワールドでも、大きな神社に行くと時折感じる物だ
しかし、これに物怖じしていると、何も得られない
意を決する
「あっリョクさん待って!」
「え?」
自分が入り口を、またいだ瞬間扉が閉まった
2人と顕在なされたユキチャンのパーティが分断されたのだ
扉の前に立つ、ミチルさんとシロチャン
「”この神様本当に……!”」
ミチルさんとシロチャンの心が完全につながった




