家族風呂
村長に挨拶をせずに
真っ先に温泉に向かう
顕在なされたユキチャンと二人
「ちょっと、待ってください、僕も入りたいですけども」
ズルズルと、二人を引きずり進行するユキチャン
「ユキチャン様、男女関係なく昇天する方が出ますよ」
やばい、まずい、本当に、やばい
村長と、会話する前に起こすイベントじゃない
「リョクさんリョクさん!」
「何ですか!」
「この家族風呂ってパックがちょうどいい気がします」
「あっ、それナイスです」
親指を立てる僕
この世界の旅行施設は、やはり充実している
一つの大きな露店の温泉を8畳ほどの広さに、
竹の柵で区切り、脱衣所も全て個室の作りになっている
お風呂の大きさは、大人が4くらい入れる余裕があり
白くトロトロの温泉質でかなりぬるめの温度だ
ユキチャンは、このぐらいの温度を好まれ、
熱い温泉はあまり好まれない
ワンピースの様な、湯あみ着をきたミチルさんと
ユキチャンのお体は、謎の霧で包まれているので多分セーフだ
僕も一応腰にタオルを巻いている
ユキチャンのお背中を二人で洗い流し
トロトロの湯舟につかる
「こんなことしてていいのかなぁ」
「ユキチャン様もご満悦ですし、いいんじゃないでしょうか」
「こっちに来てから、ただ目の前の事だけを考えて、ゆっくりとしたことなかったなぁ
リアルワールドの家族は、僕の死についてどう思っているのだろうか」
「……家族ですか」
「他殺の場合は、保険って下りるんだろうか?借りてた奨学金って死んだらどうなるか考えもしなかったな」
「リョクさん?」
「葬式代も結構かかるから、一番安価な奴でいいって伝えらよかった」
「……家族」
「ん?」
「そうだ、家族!家族ですよ、サエキ・ミチル」
湯舟から飛び出て、僕に訴えるミチルさん
「どうしました?」
「こっちの世界にも、もういるじゃないですか。サエキ・リョクさん、私は、家族みたいなものです
ユキチャン様、そういうことならどうでしょうか?」
”魂さえ奪わなければ良い”
「わ……わかりました、リョクさん!これからもよろしくお願いします!」
「こ……こちらこそ、よろしくお願いします」




