お手入れ
初めて、この世界に来て不便だと思った
この世界にシャンプーとトリートメントがないということに
自分の事をずっと探し続けておられたのだろう
肌がカサカサで、髪の毛もぱさぱさしている
リアルワールドから持ってきた鞄からヒアルロン酸入りの日焼け止めを
取り出し、そのお顔に万遍なく塗ってゆく
お目をぱちくりと、不思議そうに、見ている。しかし、自分に身を任せるように
じっとしておられる
髪の保湿!
「ミチルさん卵を!」
「はっ?はぁ?!」
「昔、映画で見たんです、髪の毛をトリートメントするのに卵を使ってました」
「あっ」
赤面するミチルさん
「?」
「あ、ありますよ、鶏の卵ならあります」
6つほど割り、卵黄と卵白に分ける
柔らかく湿った苔の絨毯のに寝かせ
髪を広げる、セミロングでカールがかかっている
その色は、白銀でグラデーションがかかっており、
髪先に行くほど黒くなっていた
丁寧に卵白を塗り、いったん馴染むを待つ
その間、卵黄をお口に運ぶ
不思議と唇に触れる前に
卵黄は、スッと消えてしまう
その表情は、とても満足げだ
ちゃんと、摂っておられる
沢の水で卵白を流し、
お肌も元の張に戻り
お腹も満たせた
ユキチャンは、目をつぶり
右手の人差し指と、中指を立てて胸の前に上向けて構え
左手も同じ印を作り下を向けた
リョクもそうする
お互いの気を確かめ合っているのだ
「湿度が、高すぎですよ」
ユキチャンそのお姿は、
童顔だが、20代くらいで、
ほわほわした雰囲気を放つ
巫女服とパーカーが服を召し
ぴったりと体にフィットしている
ロングのスカートからは、
艶めかしい鱗で覆われたお体が
伸びている
人の姿になったとしても
180センチは、ある
とても、大きな方だ
今、2人の前に立ち
ミチルさんの方を見て
首をかしげている
”あなたとリョクの関係は?”
とおっしゃっているようだった
少しの緊張が走る
ただの”使い”と答えるだけでいい
だが、ミチルさんの出した答えは
意外なものだった
「私は、リョクさんお友達です!」




