一つの命と二つの体
「まぁ、そう畏まるな、お茶を持ってきてくれ」
縁側に座るフウジ様が、後ろの障子に向かい声をかける
さっと、障子が開き
カラスの羽を生やした少女
が、正座してお茶の入ったお盆を
フウジ様の隣に置く
使いの方だろうか、ミチルさんと
同じ、白黒の和服スカートで
黒い目隠しをしている
給仕を終えると、
スッと、障子を閉じる
お茶が4つ用意されている
「すわりな、君らのこれまでの冒険の話でも聞かせてくれ」
縁側、フウジ様の隣に座る
2人と顕在されたユキチャン
今までの冒険の話をする
辛かったことも、苦しかったことも
楽しかったことも
「家族か…ふむ、リアルワールドでリョク、君の願いを聞いたが、あの時より闇が抜けているな」
「そう、ですか」
「いいことじゃ、ないですか」
「さて、<生前に手を出した女神さまにけじめを付る>だったか?」
「あ!それどうなるんですか?リョクさん!殿方の場合!?」
「あ、ミチルさん、実を言うと、すでにリアルワールドにいる時点で、願いを託したんだ」
「だったの、リョクがお賽銭とか、こまめに、参りに来るから地元の子供たちが、それを習い始めた。
その中の一人の子がその願いを続けた」
「良かった。ちゃんと、託されてたんですね」
「あの、そのお願い事って何ですか?」
「忘れてもらった願いですからね。フウジ様の本領にそう様な願いですよ」
「う~ん、地域の厄払いですか?」
「そんな、感じだった気がしますよ」
ほのぼのした時間が流れる
そういえば、さっきの鴉の使いの服装とミチルさんと、
似てたな、出身がここなのか?
「ミチルさんの故郷ってここ? 入国してからなんかワクワク、ソワソワしてるけど?」
「あ、え! そうなんですか?自分じゃわからなくて」
「鴉の体の方は、カームブルグ方面。 鳥人の体は、ここだ」
「「どういうことですか?」」
「リアルワールドで体を失っていないのだろう?一つの命で、二つの体を動かしているってことだ」
「「なるほど?」」
「そうだ、ミチル殿は、風属性の出力を使えるようになりたいか?」
「えっ!はい!めちゃくちゃしたいです!」
テンションがおかしいミチルさん
「そうか、じゃ、ちょっと困った事があってな。それを聞いてもらいたい」
「あ」
藪から棒だったか?




