風の結界
ここに入って、1時間近くたっただろうか?
黒い瘴気のトンネルの壁は、段々と崩壊の予兆を見せ始め
ひび割れから滴る、水滴のように瘴気が内側へと流れだしている
「ギリギリだ!」
それでも、光の出入り口との、距離は、確実に狭まってきている
「目測で、残り1.5kmです、この速度で間に合いますよ」
「よし、国境を抜けます!」
「”はい!”」
光のゲートを抜ける
視界が一瞬定まらず、”パトリエ”を止める
ここが、フーロブルグ領土
目の間に見えるのは、後ろの暗雲とは、対照的な、
白い霧のような、雲が遥か遠くの山々を覆い
その合間の大地に、日の光が降り注ぐ
緩やかな、凹凸がある、草原地帯
一番近くの村、こちら側の監視塔がある場所だろう
ここからでは、高い壁は確認できず、監視塔と、簡単な建物が見える
「あの村を目指しましょうか」
「はい」
草原のなだらかな、わだちを辿り、その村に向かう
近づくと村と外を、隔てる、木製の柵が見えてきた
魔物は、襲ってこないのだろうか?
「おーい」
上方、監視塔から声が聞こえる
上を見上げる
「こっちだ、国境を越えてきたのかー」
「はーい!手続きをしたいのですがー」
「分かった、塔の下の入り口に来てくれ」
手続きを始める
この国の領土は、基本的に出入りの際は、書類を書く必要なないのだが、
初めて入国する際は、ここで仮の入国証を作り、首都”フーロブルグ”に向かい
正式な、入国カードを作ることになっている。
この国の役人に表示を求められた場合、それを提示することになる
「それにしても、この柵だけで、魔物に襲われないんでしょうか?」
「ああ、心配ない。フーロブルグの風の神様”フウジ”様の息吹による結界により、魔物を生み出す瘴気は、辺境に追いやられる」
「なるほど、しかしそれじゃ、溜まる一方ではないでしょうか」
「そこで、あんたら冒険者のご活躍さ、生み出される魔物を討伐していってくれ」
「ということは、ダンジョンは、もっぱらこの国の端に集まっている感じですか」
「そうだな、結界は、きれいな円状でなく、アメーバ状といえばいいのか、凸凹を有している、ダンジョンは、その凸部分に形成されている」
「おお、よくできた結界ですね」
「そうだろう」
ミチルさんは、周りの景色を見てワクワクしている




