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第三章2
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ヤス目線
最近一人で帰る日が増えた。
まぁもっともアイツが居ない時はいつも一人な訳だが。
いつもの帰り際。
次第に雨が降り始める
「朝は晴れてたんだがな。」
一人ボヤく。
「折り畳み……はロッカーに入れっぱか……。」
傘と言うのは面倒だ。
必要な時に無いと困るのに、必要ない時にあると邪魔でしかない。
アイツみたいだな。
いや……アイツはいつも邪魔だったわ……。
雨脚が段々強まる。
手近な屋根のあるスペースに駆け込む。
めんどくせぇな。
こうしてその場しのぎの場所を見付けたは良いものの、いつまでもここにとどまっている訳にもいかな。
ちょっとでも弱まったら走って帰るか。
そう思って空を見上げるも、雨は収まる所かより勢いを増していく。
こりゃ……覚悟を決めるしかねぇか……。
頭に鞄を乗せるように構え、突っ走る準備をする。
と、そこで。
「あ!敵!」
めんどうな奴に絡まれた。