正義のヒーローになるために……
というわけで、あれから数日。
一時的に城は元通りになった。結界もちゃんと張られてる。
一時的にね。
もう壊れた。
「フォルスト〜。なんか最近、城壊れかけてきてない?」
「ボスが寝ている間に結界を解くからです。その間に奴らが城を落とさんとやってくるのです」
最近の僕は正義のヒーローしてる。
敵がいないから、てか暇だから、結界をわざと解き、敵を招いているのだ。
フォルストはそれに気づいていない。
僕は攻めてきた敵をかっこよく葬った。
正義のヒーローのように。
僕は、じゃなくてヨセフ君はかなり強いらしい。
その代償として城が壊れる。
だから、遠回しに治しといてって言ってみたんだ僕は。
でもやっぱり、フォルストの機嫌は悪いな。
しかしながら、正義のヒーローはそんな私欲で動かないのだ。
今日それを証明するため、僕はこの国の治安を調査しに行ってこよう。
毎日のように敵が攻めてくるとなると、治安はとても悪いはず。
そしたら、ぼくが正義のヒーローっぽく活躍するのも夢ではない。
ーーーーーーー
というわけで、知らない街到着。
「ボス。こんなところになんの用があるというのですか?」
一人で行くって言ったのに、彼女は着いてきた。
この街もボロいな。
近くの街は、全部ボロい。というか、今のところ見える範囲では、綺麗な街がない。
僕の城だけなぜか光り輝いている。
だからこの前、街で見かけたお姉さんに、僕の城で一緒に住みますか? って聞いたら、悲鳴を上げて逃げてった。
さすがにいきなりすぎたね。
「フォルスト。今から僕は夢を叶えるんだ」
きっとこの街は、悪によってボロボロにされたのだろう。より一層正義のヒーローしがいがある。
「なるほど。あの夢ですね。私も協力します」
と、言ってフォルストはいきなり魔法をぶちまけた。
ボロボロな民家がさらにボロついた。
「なにしてんの?」
「ボスの夢を叶えるためです?」
あー、なるほどね。
フォルスト自ら悪役になろうというわけか、しかし、それはなんか違う。
そんな創った悪を退治したいんじゃない。
「違う。本物がいいんだ」
「本物? ということは、例の」
「ああ」
知らんけど。
「彼なら、北の街に居ると情報が入りました」
「なるほど。では行こうか」
悪党がそこにいるらしい。意図を言わずとも、察してくれるフォルストにはいつも感謝してる。




