なにそれ? 僕もやりたい!!
「なんだこれは?」
かなり長い道のりを頑張って走って辿り着いたその場所。
なにせ、城はでかいから。
そこには、血に塗れた手下がいた。
ごめん、名前覚えてない。
でも、可愛いよ。
僕はその手下を抱き上げて聞いてみた。
「大丈夫かぁあ!?」
「……う……ボス。西の門が……、奴らに……、結界が……」
バタリ、と僕に伸ばしていた手が落ちた。
「なんとかーー!!」
名前分かんないから。
てことで、僕はその西の門とやらに向かった。
結界が、とか言ってたっけ?
ヨセフ君。しっかりしたまえ。
僕なんだけどね。
で、しばらく歩いてやっと着いたら。
「ふ、フォルスト……。なんだそれ?」
フォルストが居た。
それと、剣を持って鎧を着た男達。
なんかすげー戦ってる!
すごい!
フォルストは手からなんかすごいもの出してた。
光り輝くその閃光。
ま、まさか! あれは、魔法か?
あれは、いわゆる魔法と呼ばれるものだな?
え、すごい。いいな。僕もやりたい。
フォルストの放つ閃光が敵に直撃。
敵は真っ二つに割れた。
いやん。意外と残酷なのね、フォルストさん。
「ボ、ボス?! な、なぜここにいるんですか?」
見るとウニタスだった。
可愛い顔で僕を見てる。まるでチワワだ。
ん?
「ウニタス?! お前もか?! なぜ秘密にしていた! 僕だけ仲間はずれかっ?!」
「ボ、ボス?」
ウニタスも光り輝く閃光を放っている。
よく見たらここにいる奴みんな使ってる。
光が飛び交っている。
悪党と戦う、フォルストとウニタス。そして、その他名前の知らない手下達。
その姿は、まるで正義のヒーローだった。
僕も混ざりたい。
よし。
「こんな感じだな?」
「ボ、ボス? ま、まさか……」
手下が魔法を使えるのならば、ボスが使えない筈ない。
僕もウニタスみたいに手を悪党に翳してみた。なんか、かっこいいと思うよ今の僕。
……それから、言う!!!
できなかったら、ちょっと恥ずかしいけど、その時はウニタスに殺してもらおう!
いくぞ!
「デスヴィシャス!!!」
ウニタスが言ってた呪文を唱えてみた。
「ボ、ボス?!」
ウニタスがなんか言ってる。
ま、いいや。
それより、
「うおーー!!! すげーー!!」
魔法だ、魔法!!
僕は魔法を手に入れた!
僕の掌から、光り輝く閃光が伸びている。
どっちかっていうと、なんか黒いんだけどね。
正義のヒーローぽくないから、無視しとく。
敵を襲い、血が巻き起こる。
手下達が僕を見てる!
何その顔?
「え? あれ? なんか、止まんない」
魔法が止まらない。これどうやって消すの?
このままだと、全部崩壊しちゃうよ。
フォルストと目が合った。
やっぱり、怖い。
「ボス? なぜここにいるのですか?」
「え、ごめん」
光が広がる。視界が眩しい。
「あ? やべ。どうしよフォル──」
「だから待っていてくださいと言ったのにぃぃいいいーーーー!!」
どんどん光は膨れ上がり、そして辺りを包んで爆発した。




