敵だ! ヒーローの出番だ!
「よし、今夜決行だ!」
「しかし、なぜ今になって結界が?」
「分からぬが、きっと我々を試しているのだろうな」
「きっとそうだ! 何百年と張られていた結界が急に無くなるなんて、我々をみくびっているとしか思えない! 舐められたもんです」
「そうだな、ここらで我々の凄さを見せつけてやろう!」
円卓を囲み、鎧を装備した男達が会話をしていた。
「いつまでも、奴らの思い通りにはさせん!」
「ヨセフ・オリバー!! 奴に我々、人間の凄さを思い知らせてやろう!」
その発言に、男達の雄叫びが上がった。
ーーーーーーーー
城に戻ればもちろん騒ぎになっていた。
「ボス! どこに行っていたのですか!」
「ごめんなさい」
フォルストに怒られた。
最近気づいたんだけど、彼女結構怖いんだよね。
顔はめっちゃ綺麗だよ?
たぶんそれもあるからだと思う。
もう大人しくしてよ。
と、その時。
「ボ、ボス!! し、城がががっ! ど、どどどうしましょう?」
フォルストに怒られていると、水色の髪をした可愛い女の子が慌てて入ってきた。
この子はウニタス。
「ウニタス。一回落ち着いて。何があったの?」
フォルストが言った。
フォルストは、僕の手下の中で一番偉いんだ。
そして、ウニタス。彼女は問題児。というか、ペットみたいな感じ。
そんな彼女が慌てまくっている。
「し、城に! お、お城に侵入者が! い、今、みんなで追い返してるけど、ひ、人多くて!!」
「侵入者? そんな筈は……。この城は常にボスの結界によって守られているはず……」
ヨセフ君、結界なんてはれるんだ! すげー!
え?
てことは、僕がそれをしないといけないってことだよね?
僕、結界の張り方なんて知らないよ?
フォルストと目が合った。
なんか怖い。
そらしちゃった。
「ウ、ウニタス嘘ついてないよ! ほ、本当に、いっぱい来てる! フ、フォルスト信じてー!」
ウニタス可愛い。フォルスト怖い。
「ボス、確認して参りますのでこちらでお待ちください」
「うむ」
フォルストとウニタスは、ささっ、って瞬間移動みたいに、残像を残して消えた。
僕もそんなんしてみたい。
でも、僕って多分弱いよね。
前世でも弱かったし、常に彼女達に守られてるし、今だって待っててって。
ま、いいんだけど。
だって僕が動かなくても勝手になんとかしてくれるしー、僕はただ座ってるだけでいいしー。
しかし、待てよ?
侵入者ということは、悪党だな?
悪党ということは、正義のヒーローの出番だということ。
では、僕の出番だ!
こんなところでぼけっと座っているわけにはいかぬ!
「待って〜! 僕も行く!」
そして、僕はちゃんと地面を足で歩いて、その重い扉を開いて長い廊下に出た。




