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小っちゃな街の青い鳥たち  作者: 柊夏木ヤヤ
8/15

ダサい名前の軍団、家を買う。

自分で考えてて思った。



ダサいよね、デビルキャロッツ……




好きって人いたらごめんなさい。

 面談を終えた蓮は、一番最初に訪れた広間に全員を集めて話を始めた。


「これからのこの軍団での活動に関して、話さなきゃいけないことが山ほどある。だが、その中でも優先的なことがある。それは……」


 一度言葉を溜めて、話の緊張感を煽る。話を聞いている全員が蓮に注目していた。


「それは……軍団名の変更だ!!」


 そう叫ぶ蓮の声が建物の中に響き渡る。即ち、その場はシーンとなっていたのだ。

 一呼吸を置いてから、蓮は叫んだ内容について語りだした。


「いいか?すでに面接のときに何人かは気づいていたが、この軍団の名前は絶望的にダサい!なんだ、悪魔の人参って……。RPGのアイテムか!ネット検索をして、関連するサイトが十くらい出れば上出来ぐらいのレベルのワードセンスだ。せめて周囲から見て、まともそうに見える名前には変更するぞ!」

 口早に淡々とした説明をしたため、ついてこれているのは半分くらいで残り半分は、ポカンと口を開けていた。


「あ、それとは別に俺の住むところも探さないとな……。このままじゃ、この辺に不法滞在になりかねないからな……」

 一通り話をし終わった所で冷静に物事を考え直したときに、役場への住所変更の手続きをしないまま、何も考えずに出てきてしまった。このへんで空き物件を見つける前に一度前の街に戻らないといけないのが確定してしまった。



 もう二度と訪れることがないと思っていたあの街に……。






「でしたら、これから不動産に行って空き物件も軽く見繕ってきますか?」

「そうするか……このままこんなボロッボロな所で寝泊まりすんのも嫌だしな」

 外はもう真っ暗だったため、今日はここで寝泊まりをし、この軍団の改名案を絞りながら明日に備えファミレスでご飯を済ませて早めに就寝した。



 翌日、蓮はテツとついでに暇だというパラソルを引き連れて近くの不動屋さんに向かった。

「というか、お前のあだ名のパラソルっての、どうなんだかな……」

「そうっすか?アニキもいつかこの名前のカッコよさに気づけるといいっすね!」

 その前『笠』と『傘』が違うことに気づけよ!というツッコみを心の奥底に押し殺して不動屋さんへの歩みを続けていた。



 不動屋さんに到着して数分後、担当をしてくれている清水さんという女性の方についていき、近くの空き物件を三つ見せてもらった。

 始めに見せてもらったのは、木造の平屋。立地や雰囲気も悪くないが、その分お高くなっていて、到底手が出せるものではなかった。

 次に別の平屋を見せてもらった。先ほどに比べたら広くはないがその分お値段は手が出しやすい。しかし、お値段以上に気になったのは建物のボロさだった。扉なんか、力の加減を間違えたら一瞬でバキッといってしまいそうだった。

 そして今、最後の物件へと向かっている。この二つの後ということもあり、あまり期待はしていない。気持ち的には今後のことも考えて二つ目の方にしようかと考えているくらいだった。


「もう間もなく到着しますよ!」

 元気な声で接客をしてくれている清水さんの声で前の物件のことを考えていた思考が、一瞬にして現実に戻ってきた。


「最後の物件はあちらになります!」

 蓮は清水さんが指さしたほうにある建物へと目を向けた。そこには二階建てで、ちょっとした民宿くらいの広さがある建物があった。

「この建物は数年前に『青鳥』という名前の旅館でして、部屋数も広くて多いのが魅力です。建物も築年数的には二十年ほど経っていますが、中は綺麗ですので安心して暮らしていただけると思います」

「青鳥……幸せを運ぶ青い鳥が名前の旅館か……いいな、それ」

 中に入り、一階の各部屋をサッと回ると蓮の口からその言葉が自然に零れてきた。


「アニキ!アニキ!見てくださいよ!!この家、二階に行くと海が見えますよ!!オーシャンビューっす!オーシャンビュー!!」」

 興奮気味にパラソルが上から叫んでいるのを聞いて、蓮とテツの二人も彼のいる二階へと上がっていった。

 パラソルがいたのは二階の部屋の中で一番大きい部屋。畳が敷かれたその部屋は十数人が入って宴会ができそうな雰囲気と大きさをしていた。そしてその部屋にある窓から外を見ると一面の海が広がっていた。

「お店の通りがある商店街や、公共施設からは少し離れてしまいますが、今見ていただいてる絶景や広々とした間取りとなっているので、我々としてもかなりおススメの物件となっております」

 蓮たちの高評価な感想を聞いて、清水さんの説明も口早になっていた。

「広さや立地も申し分はないな。なんとか予算内にも収まってるし、ここに決めるか」





 かくして蓮は、クビになって定職についているわけでもないのに、一戸建ての家を購入することになったのだった。

来週土日くらいにもう一本あげます!

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