表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深紅の悪鬼は繰り返す  作者: 札神 八鬼
一月編 深紅の悪鬼はやり直す
2/23

とても熱い冬

一年後の一月一日。

この日は忘れもしない。

熱い、熱い、冬だった。

ゆらゆらと踊る炎に囲まれながら、

あなたは私を見下ろしている。

ああ、今回も私は、あなたを救えなかった。

そんな私の思いを知ってか知らずか、

私の深紅の髪は周りの炎のように赤く染まり、

ゆらりゆらりと漂っていた。


「覚悟は出来ましたか?柚様」


冷たい刃を私の首に押し当てながら、

あなたは私に死に対する覚悟を聞いてくる。


「いいえ、ちっとも」


「そうですか…あなたがいくら後悔しようと、

僕達には死ぬしか道はないのです

焼け死にたくないのなら、早めに決めて下さいね」


本当にあなたは酷い人ね。

私がどちらを選ぼうが、死ぬ未来しかないもの。

私があなたを置いていかないのを知ってて、

わざと選択の自由を与えるのね。


「だから、もう少しだけ足掻(あが)いてみたいの」


私は一年前に戻るために力を使う。


「また、偽物の幸せに逃げるつもりですか?」


「だって、私の居場所はあそこだもの

そこに偽物も本物もないわ」


私は、百回目のタイムループを開始した。


「また逃げられてしまったか…

まあ、今回は百回目だ。流石に記憶にも支障が出るだろう

いくら逃げても運命は変わりませんよ、柚様」


今ここに、一つの空間が終わりを告げた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ