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深紅の悪鬼は繰り返す  作者: 札神 八鬼
一月編 深紅の悪鬼はやり直す
12/23

寒椿の咲く頃に

今回は目まぐるしく視点が入れ替わります。

◇◇◇にて視点が変わりますが、

◇◆◇は、二人の視点です。

一月十日。深海との最後の一月。

一月が終わろうとしていても、私達の日常は変わらない。


◇◇◇


今日は一月十日。柚様と過ごす最後の一月。

僕は今日も変わらず、柚様との日常を過ごしていた。


◇◇◇


ふと外を見ると、寒さに凍えた椿が、首から綺麗に落ちた。

それは、まるで未来のあなたみたいで、とても美しく見えた。


「あの椿、綺麗ね」


「そうですね、柚様」


深海は先程落ちた椿ではなく、

未だに咲いている椿を見ながら答えた。


◇◇◇


「あの椿、綺麗ね」


ふいに、柚様が外を見ながら僕に話しかけた。

柚様の視線を追うと、そこには満開の椿があった。


「そうですね、柚様」


落ちている椿が、まるで未来の朽ちた柚様のようで、

とても悲しく、憎らしく感じてしまった。


◇◇◇


「まるで深海みたい」


私がそう続けると、深海は苦笑いしながら答える。


「僕はあんなに綺麗ではありませんよ」


もったいない。

あなたはそんなに美しく、美味しそうなのに。


◇◇◇


「まるで深海みたい」


柚様は素敵な笑顔で僕に笑いかけた。

そんな柚様に対して、僕は苦笑いしながら答える。


「僕はあんなに綺麗ではありませんよ」


いずれ鬼となるこの命が、綺麗であるはずがないのに…


◇◇◇


「私、深海がいないとダメになっちゃうかも

だから、私を置いて先に死なないでね、約束よ」


「はい、柚様がそう望まれるのならば」


私は、深海がいないと生きていけない。


◇◇◇


僕は、柚様がいないと生きていけない。


◇◇◇


だからこそ私は。


◇◇◇


だからこそ僕は。


◇◇◇


あなたを食べたいの。


◇◇◇


あなたを殺したいのです。



◇◆◇


これは、愛と殺意が渦巻く繰り返しの物語。

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