表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お化け屋敷をリフォーム  作者: 奈瀬朋樹
chapter 4
20/35

19話 男はつらいよ

今回はちょっとエロい話です。

 程なくして雫先輩のアパートに到着、タクシー料金もどうにか払えたけど財布はもうすっからかん。それにもう深夜前だからさっさと撤収しないと。

 そう思いながら酔い潰れた雫先輩を背負って比奈菜が先導、漁った鍵でドアを開けてから雫先輩の家にあがる。中は狭いけど綺麗なワンルームで、散らかってない所が雫先輩らしいと感じながら室内を見渡すと、部屋干しされた下着があ…


 ブラでけぇ!!!


 さっきは一瞬しか見えなかった太平洋ベルトの全貌が明らかとなり、我が家のベランダで干される比奈菜とは雲泥、鯨と鰯レベルの戦力差だと慄いていたら、


「お兄ちゃん」

「うおっ! すまん比奈菜、ちょっと目がいっちゃっただけで悪気はな…」

「疲れた。眠い」


 比奈菜がうとうと状態になっていて、下着を凝視してしまった変態行為のお咎めはありませんでした。

 た、助かった。


「毎日バイトで忙しかったからな。雫先輩を寝かせて俺達もさっさと帰って寝よう」

「お~」


 眠そうな比奈菜の掛け声と共に背負っていた雫先輩をベッドに寝かせて、着替えを比奈菜に任せて俺は置手紙を作成。居酒屋から運んだ経緯を書いてから目覚まし時計をセット。これでOKと判断してベッドの方を振り向いたら、比奈菜が雫先輩と一緒に心地良さそーにベッドで寝てました。


「をい寝るな! 帰るぞ比奈菜!」

「や~、眠い~。これから帰るとか無理~」

「我が儘を言うな! 明日から学校なんだぞ!」

「早起きする~、お兄ちゃん起こして~」


 そう呟いてからモゾモゾと布団の奥に引っ込んでしまい、横で雫先輩が寝てるのを無視してつい自宅のノリで愚妹を叩き起そうと布団をひっぺ剥がしたのだが。


「ちょっ、何で下着姿っ!?」


 縞パン&スポブラだけという我が妹の姿に思わず後ろに倒れてしまった。

 全っ然育ってないけど、女の子特有の曲線・意外とほっそりな生脚とお腹・そして僅かな布しか残ってない露出に、妹なのに不覚にもドキドキしっぱなしだ。

 しかも雫先輩に至っては黒パンツだけで、上半身を覆っているものが何1つない。

 横向き姿勢で肝心部分は見えてないけど、あり得ない程に膨らんだ胸の輪郭が丸分かりで、ただでさえ布面積が乏しい黒パンツもズリ下がってキュッと丸みを帯びたお尻の上半分と割れ目が丸見え、控えめな性格とは真逆なダイナミックな曲線美に視線を逸らす事ができない!!!


「も~、じゃあお兄ちゃんだけ帰れば~」

「いや、そういう訳には」


 目を瞑って寝転んだまま我が儘を言い続ける比奈菜だが、もう強く出るのは不可能だ。下手に刺激して眠気が飛べば現行犯逮捕、執行猶予無期限の変態兄貴という烙印が永久欠番されてしまう。

 だけど、このままって訳には。

 そんな葛藤をしていたら、ぐっすりと寝ていた雫先輩の手が動いて


「…………………………寒い」


 そう呟いてから真横で寝ていた比奈菜を抱き枕の様にギュッと抱きしめてしまい、男である俺がこの状況から妹を帰宅させるのは不可能となりました。

 なので剥がした布団を2人にかけて、自宅に電話して帰れないと報告・朝帰り決定となりました。そして1人暮らしの部屋に複数の布団がある筈もなく、勝手に雫先輩の衣類を漁って布団代わりにするのも気が引けたのでその辺にあった座布団を拝借、2人がベッドでぐっすりと眠る中、俺は壁に寄り添いながら縮こまって寝る事になりました。


 男って、つらい生き物だなぁ。



   ◇   ◇   ◇



「…………………………あれ、何で私の部屋?」


 目を開いたら、見慣れた天井があった。

 確か居酒屋で夕護君達に誕生日を祝ってもらって、初めてのビールが苦くて、体がどんどん熱くなって……

 駄目、そこから先が思い出せない。頭がガンガンする。

 そうして体を起こしてみたら、


「……比奈菜ちゃん?」


 すぐ横に布団に包まった比奈菜ちゃんが寝ている。

 どういう事なのかとベッドを出ると、ミニテーブルに憶えのない置手紙があったので読んでみると、


「……ああ、そうだったんだ」


 どうやら私は酔い潰れて、夕護君が運んでくれたらしい。

 置手紙の横には目覚ましが6時にセット、今はその数分前という早朝だけど手紙には〝帰ります〟ってあるのに、どうして比奈菜ちゃんがベッドに?

 そう思いながら可愛らしい寝顔を見ていたら別方向からも寝息がある事に気が付いて、ワンルームを区切るドアを開いてみたら、


「……夕護君だ」


 台所の壁で寒そうに寝ている姿に、つい頬が緩んでしまった。


「……気を使ってくれたんだね」


 女の子と一緒の部屋で寝ない為に、こんな狭い台所の廊下で一夜を明かしてくれたんだ。

 年下の可愛い後輩としか思ってなかったけど、やっぱり男の子なんだなぁ。

 寂しい誕生日になる筈だった私を祝ってくれて、お酒のせいで殆ど覚えてないけど、嬉しかったよ。

 ありがとう。

 そんな夕護君にちょっとだけドキドキしてしまい、だけど比奈菜ちゃんと同じく可愛い寝顔だなーと、つい頬をツンツンしてみたら、


「う、うん?」

「……おはよう、夕護君」

「雫先輩? ああ、おはようござい〝い〝っ!?」

「??? ……どうしたの?」


 前のめりになって聞いてみたけど夕護君は目をパチクリしながらアワアワしっぱなしで、まだ寝ぼけているのかな?


「あっ、あの!? 雫先輩を家に運んで、でも比奈菜が寝ちゃって、だからココで寝ました!! 本当ですよ!!!」

「……そうだったんだ。それなら仕方がないね。大丈夫だよ」

「いやっ、全然大丈夫じゃないっ!!!」


 夕護君が必死に弁解を続けていて、どうやら勝手に家に上がった罪悪感が拭えないせいで焦ているみたいだから落ち着かせてあげよう。そう判断して夕護君の真正面でしゃがみ込んでから手を伸ばして、頭を撫でてあげました。


「……落ち着いた?」


 年上のお姉さんっぽく宥めてみたけど、夕護君の目が泳ぎっぱなしというか、視線が私の顔よりも下になっていて、どうやら夕護君は相当朝が弱いみたいだ。


「……今度、今日のお礼をするからね」

「いやもう現在進行形で有り余るお礼が目の前に」


 ??? どういう事だろう。

 そう思いながら、更に夕護君に近づき、体と体が接触しそうになった所で、



   ジリリリリリリリリリリッ!!!



 目覚まし時計が鳴り響き、アラームを止める為に後ろを向くと夕護君が「しり」と叫んで、何が知りたいんだろう?と思いながら目覚ましをOFFにしたら、


「おっ、俺、朝食を用意します!! すみませんでした!!!」


 そう言ってドアをシャットダウンしちゃいました。

 家族から私の寝ぼけっぷりは酷いって言われた事があるけど、夕護君よりはマシみたいだ。

 なんだか弱みを握れたみたいで嬉しいな。

 そんな優越感に浸っていたら、布団がモソモソと動きだす。


「うぅーん、朝?」


 比奈菜ちゃんがむくりと体を起こして布団から這い出てきたけど、


「……比奈菜ちゃん、何で下着姿?」

「布団に入った時に雫ちゃんに脱がされた」

「……そうなの?」

「そうなの」


 そうして下着姿の比奈菜ちゃんが自分の服を拾い始めて、すぐ傍には私の上着やスカートが落ちていて……



   あれ?



 確かパジャマは昨日洗濯して、今も部屋干しされている。

 じゃあ私は今、一体何を着て……


「雫ちゃん、いい体してるね。比奈菜羨ましいよ」


 そう指摘されて視線を下ろすと、そこには何もない、パンツだけというあられもない裸体が…



「うきゃああああっちゃ!! しょーーーーうしねぇ!!!」



 衝撃の事実に酔いが消し飛び、慌てて胸を両腕で隠して縮こまる。どうしてこうなったのか全然記憶になくて、考えれば考える程に頭が痛くて、もしかしてこれが二日酔いなの?

 お酒好きなお父さんも朝は辛そうに全裸で……って私もそうなの!?

 そうしてブツブツと新潟弁であれこれ呟いていたら、服を拾い終えた比奈菜ちゃんがキョロキョロと辺りを見渡す。


「お兄ちゃんは?」

「……夕護君なら扉の向こうで一夜を明かして、今は朝食の準備を」


 あれ?

 さっきまで私、夕護君と話したよね?


 傍に寄ったり、頭を撫でたり、更には後ろを振り向いたりで、そんな私に夕護君から「全然大丈夫じゃない」って言われて……………、 ほんとに全然大丈夫じゃなかった!!!


「そっか、相変わらずお兄ちゃんは朝強いね」


 比奈菜ちゃんが納得していそいそと服を着始めてから、縮こまり続けている私の方を見てくる。


「雫ちゃんシャワー借りるね。あと何でもいいから羽織った方がいいよ。お兄ちゃんに見られちゃうから」


 そんな心配をされてから比奈菜ちゃんは洗面所に向かっていったけど、もう全部手遅れで、どんな顔して夕護君に会えばいいの? 脱ぎ捨てた服を慌てて着ながら考えたけど答えは見つからず、それからシャワーを終えた比奈菜と一緒に夕護君が来たけど、お互い視線を一切合わせない様にして黙々と朝食を済ませた後に即解散になり、2人が玄関の扉から出て行くのと同時に膝が崩れて、へたり込む様に倒れちゃいました。


 夕護君に非はない。

 悪いのは全部私だ。

 そんな自虐に浸り続けた後に、1つの結論に至った。


「……責任、取った方がいいのかな?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ