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夢おちツアー

掲載日:2016/03/20

 男は中学三年生のときにクラスメイトからいじめにあったのです。男はいっぱい泣きました。

 この嫌な生活が夢だったらいいのに。

 そう思うと男はベッドの中にいました。

 あれ?

 男は中学二年生に戻っていました。クラスメイトも中学二年生のときの優しい友人にもどっていました。いじめは夢になっていたんです。

 男が自分に夢落ちする能力があることを知ったのはこのときです。嫌なことがあったらそれら全てを夢にしてリセットできるわけです。

 男に高校一年生のとき彼女ができました。ずっと永遠にその仲は続くと思っていました。でも男のある一言で彼女は傷ついてしまいました。そして二人は別れました。その失態を取り消すべく男はいつもどおり夢落ちしました。あの一言は言いませんでした。彼女も傷つきませんでした。だから別れませんでした。もっとも、それはそのときの話であって3か月後に男の方が彼女に飽きて別れましたが。

 男は高校三年生のときに陸上の大会で100m走に出場しました。しかしスタートを失敗してしまったのです。だから夢落ちしました。大会当日の朝に。もう一度冷静になってスタートしました。ベストタイムが出ました。

 男は大学受験を失敗しました。男は未成年時の飲酒がばれて警察沙汰になりました。男は大学を卒業できませんでした。男は就職に失敗しました。男は上司とけんかをしました。でも気づくと男は某大手企業の社長になっています。それは全て夢落ちで失敗を成功に変えたからです。

 

 男はあるときイライラしていました。失敗が増えてきたのです。そのたびに夢落ちするのもなんだか疲れてきました。男は奥さんに暴力をふるいました。それは悪化していきました。男は奥さんを殺しました。男はとても後悔しました。男はいっぱい泣きました。

 この嫌な生活が夢だったらいいのに。

 そう思っても何も起きませんでした。周りの風景は一切変わりません。目の前に死んだ奥さんが血まみれになって倒れているだけです。

 男は夢落ちができなくなりました。

 いや、待てよ。夢落ちしてきたいままでの生活自体が夢だったんじゃないか。

 男は考えました。そして男は気づきました。初めて現実と向き合いました。いままでの自分の能力はただの空想のものでした。長い夢を男は見ていたのです。と男は推理しました。考えれば考えるほど男は混乱しました。これが夢なのか現実なのか。このことは誰も知りません。この世に生きている人間は誰も知りません。 

 私は知っていますが。

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