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番外編1、芽衣がことわざで馬鹿なアピールを

作者の勝手なきまぐれで番外編となりました。番外編なので2000字程度と短めです。

「ことわざについて考えよう! どんどんぱふぱふ! 」

「いぇーい 」

「唐突だな、おい! 」


「いやぁ学校の宿題でことわざについて調べてきてレポートってゆう宿題なんか出ていないんだからね。単純にことわざについて知りたいなぁって、すばすば 」

 ははぁ、要約すると宿題を手伝って欲しいと。この休憩時間とくにやることもないし手伝ってあげてもかまわないか。


 さてことわざについて考える前に自己紹介を。僕は糸谷昴。正真正銘の男だけどわけあってメイド喫茶でメイドのお仕事を頑張っております。そしてもう2人のこちら、容姿が比較的似ている可愛い女の子たちは丹沢双子。姉が芽衣で妹が麻衣ちゃんだ。双子で容姿は似ているといっても芽衣は社交的で明るい性格なのに麻衣ちゃんはやや天然でのほほーんとしており対照的。って誰に解説してんだろ、僕。


 とにかく僕たち3人はメイド喫茶「ゆーりん」の休憩室にて休憩時間を利用してことわざを考えることになった。


「まずは豚に真珠だね。とても奥が深そうなことわざだけど、スバスバは大丈夫? 」

「あ、うん。すごく簡単な小学校1年生でも知っているようなのがきたね 」

「なら猫に小判はどうだ? 」

 これも同じく簡単で豚に真珠と猫に小判ってほぼ意味は同じ。そうだこの二つが出たなら・・・・・・。


「じゃあこれらとほぼ同じ意味のことわざがもう一つあるけど分かるよね 」

 答えはもちろん馬の耳に念仏でどれも価値の分からないものにあげても無駄みたいなニュアンスの意味。二つとは違い多少は使われる頻度が少ないがこちらも一般常識レベルだと思う。

「えっ!? 豚に真珠と猫に小判が同じ意味だって言うの? あはははは、馬鹿だなスバスバは 」

 えーー、そこから分かってないんだ。しかも間違いを認めずに馬鹿にされたし。


「ごほん 」

 ひとまず咳払いで芽衣の笑いを止めて

「思いついたんだがこういう似た意味のことわざをいくつも調べてレポートっていうのはどうかな? 」

「めんどくさいから却下 」

 うーん、結構いいアイデアだと思ったんだけどなぁ。検索すればすぐ出てくるだろうからさっさと終わらせられるだろうし。これをめんどくさいと言われたらもう何もないぞ。


「じゃあ次スバスバことわざ言って 」

「じゃあ・・犬が西向きゃ尾は東ってのはどうだ? 」

 もうこの2人ことわざ知らないんじゃないかな、と疑問に思いつつ要求どおり新たなことわざを提示する。

 犬が西向きゃ尾は東ってのは当然そうだよねーてきな意味。あえて2人が知らないようなのを出してみた。


「それって偶然そうなっちゃったみたいな意味かな? 」

「お姉ちゃん、それ以外にどんな意味があるの? 」

「いやぁ確認だよ。確認 」

 この2人は一体全体どんな解釈をしてそういう意味になったのだろう。真逆の意味になっちゃってるけど。


「つまり犬が西を向いていても尾は北や南、東と色んな方角にある可能性があるけどそれがたまたま東になったってことだよ 」

 確かに犬が西を向いていても体が曲がって尾が必ず東を向くとは限らないけどさぁ。


 とりあえず本当の意味を説明しようとしても納得せず、辞書を見せてやっと納得させたのだがそうすると今度は

「いいことを思いつたよ。こういうふうに本来あるべき形とは違ったことわざを集めるってのはどうかなぁ? 」

 いや、本来あるべき意味って「当然なこと」ってのが本来の意味で「偶然そうなる」ってのはひねくれた解釈でしかないからね。


 とりあえず芽衣はことわざにケチをつけていくということでいいんだよね。なんという反日本語的な宿題だ。

「じゃあお望みどおりいくつかことわざあげるから適当に意味を答えていって。多分間違った解釈の答えが自然に出てくるだろうから 」

「よしこい! 」

「こい、こい 」


「んじゃあ猿も木から落ちる 」

 ふむふむ、と芽衣も麻衣ちゃんは考え始める。もっとも麻衣ちゃんのほうはお姉ちゃんを真似ているだけのような気もするが。

 ちなみに猿も木から落ちるはどんなにうまいものでも失敗することはあるという意味。同じような意味で河童の川流れや弘法にも筆の誤りがある。後でこれも出すか。


「分かったよスバスバ。ずばり動物園の猿だね 」

 意味と聞かれて動物園の猿という時点でハテナマークがつくが聞くだけ聞こう。


「動物園の猿はあんまし木登り得意じゃないだろうから落ちるんだよ。もしかして正解言っちゃった? うひゃー、ホントゴメンね天才で 」

 そりゃあ野生よりかは下手だろうけどそんな実際登らせたらしょっちゅう落ちるほどでもないのでは? それ以前に動物園の猿は木すら置かれてないところだって珍しくないと思う。


「気を取り直して次。河童の川流れ 」

「ふふ、今度は簡単。可哀想だよね。だってそうじゃないあの可愛らしい河童が流されちゃうんだよ。やだよぉ 」

 河童が可愛いかはともかく、そもそもこの子は勘違いをしていないか。ことわざとは昔の人の教訓や生活の知恵を残したものだよ。すでに芽衣の感想になってる。


「弘法にも筆の誤り 」

「こうほう? なにそれ? 次 」

 こいつ分かんねぇからって飛ばしやがって。せめて「こうほう? なにそれ? おいしいの? 」まで言えよ。まったく笑いのセンスもない。

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