出逢い
「今日ゆうひ、なにする〜?」
『ん〜…暇だし今日も探す?』
「おっけ〜」
これが、私たちのいつもの会話
今会話してるのは、私の一番の友達【菜々音】
「ゆうひ、今日いい奴居る?」
『今日全然だめ…』
「だよね〜、平日やっぱだめだね」
『もう誰でもよくない?』
「だよね、ならゆうひ選んでいいよ」
『了解〜』
探すとか、選ぶとか、私たちの日常
なにを選ぶ?探す?
それは…【男】
私たちは、ネットとかで適当に遊べる男を探して、自分たちのとこに呼んでから、遊んだりしていた
『あ、見つかったかも〜、電話してみよ』
「おっけー」
私はいつも通り、絡んできた男に電話をかける
『もっし〜』
「もっし〜、今どこおるの?」
『りんりんってカラオケの前だよぉ』
「えっまじ?近い近い!」
『近いの?なら来てー』
「はいよっ!」
『はーい』
私は、通話終了のボタンを押した
「どお?来る?」
『わからんけど、来ると思うよー』
「りょうかいー」
『なんかノリ良かったし、若い気がする』
「おっ、当たりかな?」
『まあなんでもいいけどね』
「はははっ、確かに」
ガヤガヤと、いろんな声がする
“…あ〜、ほんとつまらんだる。”
いつも通りの事を考えながら、煙草に火をつける
「ねー、遅くない?」
『だよねっ。思った』
「イライラする、はよしてまじで」
『はははっ…もう少しかな?』
「は〜」
“…は〜?ゆうひのせいじゃないんだから、ゆうひに怒られても知らんから!…”
ブルブル…
『ん?あっ、電話きたー』
「もっし〜」
『もっし〜、ついた?』
「ついたよー」
『おっけー!車なに?』
「黒のキューブだけど、わかる?」
『あ、おっけー行くねっ』
私は、通話終了のボタンを押す
「着いたって?」
『あっ、うん』
「あれじゃない?」
『あ〜たぶんそう。いこ』
「おっけ〜」
普通に、車のドアを開ける
運転席と助手席に、一人ずつ男が座っている
「『はじめまして〜』」
ななねと声を揃えて、言った
慣れたもんだなーとか思いつつ、いつも通り男も返事をしてくる
いつも通りのはずなのに、何故か不思議な感覚がした
まさか、こんなふうに出会うなんて思わなかった
かけがえのない大切なひとに…