受験前のある一コマ。
わっかんないなあもう!
あたしは目の前の問題集との睨めっこに負けて、シャーペンを紙に突き刺した。
芯がポキン、と小さな音を立てて折れる。
「あああああ…」
そのまま、頬を机に突き付けて目を細めた。
なんなの受験って。
なんなの勉強って。
受験生になら、ほぼ誰にでもあるだろう問いを心の中で呟いてみる。
もう寝ちゃおうかなあ…。
冬の寒さに、体がぶるっと震えた。
きっと宵も深い。
時間を見ようと、携帯に手を伸ばした。
ディスプレイに表示された時間は、AM 1:26。
「先輩、寝ちゃってるだろうな…」
頬の下の机から伝わる、凍えるほどの冷たさが、妙に心地よくて。
目を閉じかけた時、携帯から聴き慣れたメロディが流れてきた。
「うっそ!」
慌てて飛び起きる。
眠気なんて一気に吹っ飛んだ。
「はいっ」
『もしもし、頑張ってるか?』
ああああああああ…ナイスタイミングッ!
愛しの声が体中に染み渡る。
ほわわんと顔が緩む。
「もうそろそろ、寝ちゃおうかと思ってた」
『そんなような時間だと思って、電話した』
ははっと笑い声がした。
「だって数学、分かんないし」
『あんなん、ゲームだよ』
「頭いい人にはねっ!先輩の高校、偏差値高過ぎなのっ」
『頑張れよ。高校、一緒に通おうぜ』
無謀なことくらい分かってる。
このくらいの成績じゃ、先輩の高校になんて届かないことくらい分かってる。
ただ、先輩のその言葉だけで幸せになれちゃうの。
あんなに嫌だった勉強だって、頑張れちゃうの。
『俺、ここで応援してるよ』
ばか、ずるい。
そんなこと言われたら、頑張るしかなくなっちゃうじゃん。
「…ありがと」
大丈夫、やれば出来る子だもん。
なんたって、先輩が応援してくれるから。
窓の外は雪景色。
試験当日まで、あと1ヶ月。
End...
…受験期、丁度勉強に精を入れないといけない時期にぽんっと浮かんできた作者の妄想です(笑)
気が向いて、受験の事しか頭になかったたため、このような妄想に^^;
ただ憧れてます、こんな事が実際にあったらなとw
同じような受験生の方に楽しんで頂けたら、それはもう最大の幸せです★
もちろん、受験終わった方もこれからの方も。
それでは。
読んで下さった皆様に、最大の愛と感謝を込めて。
With love...
ありがとうございました!!!