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忘れ去られた惑星2 ――神々の宇宙――  作者: 謎村ノン


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4/4

第4章:エピローグ

「ただいまー!」

 四次元世界ではあり得ない構造体でできた廊下のような空間を、バシャバシャと駆け抜けるようにじてきたのは、宇宙泡を保持する高次元構造のメンブレン保持体――仮に、ランドセルという――を背負った、三次元では形容しがたい姿をした子供神だった。

 ランドセルの中には、課題の提出物――つまり、地球に似た惑星のある宇宙の泡が、丸ごと入っていた。もちろん、ランドセルは、次元圧縮済みだった。

 母神は、高次元世界の様々な構造体が三次元とは別の秩序で並べられた作業用空間――いわば、キッチンで、お茶のような情報エネルギーの構造――仮に、銀河茶という――を、すすりながら、のんびりと振り返った。

「おかえり。今日も課題、ちゃんとできたの?」

「できたどころじゃないよ! もう、めっちゃ進化したんだ!」

 子供神は、ランドセルをドンッと置くと、泡をポンッ、と取りだした。ランドセルから、顕微鏡のような高次元構造体を出して覗くと、惑星は、青く光って、軌道エレベーターの構造体がみえた。

 母神は、目を細めて、宇宙泡をひょいと持ち上げた。

「へぇ、これがあなたの『観察対象』なのね。地球に似せた惑星を創った、って言ってたけど……」

「そうそう! 最初は、ちょうどいい恒星系が、泡の中でたった一つだけできてさ、ちょうど地球の雛形をゴルディロックゾーンに、3Dプリンターで創って軌道上で回してみたってわけ。人間も込みで作ったら、もう、かわいくてさー!」

 子供神は、四次元サイズでは銀河よりも巨大な机のような構造体に、肘のような触手をついて、得意げに語り始めた。

「でね、途中でちょっとトラブルがあったんだよ。人間とおしゃべりしてたんだけど、なんか急に『神なんていらない!』とか言い出してさ! もう、プチ反抗期? でも、そこは僕、ぐっとこらえて、ちょっとヒントをあげたら、また仲良くなったんだ!」

 母神は、クスクス笑った。

「反抗期、早いわねぇ」

「でしょ? もう一個、同じ軌道の反対側に惑星を創ってみせて、僕のことを教えたんだよ」

「へえ……」

「でも、そのあとがすごいんだよ! なんと、彼ら、自分たちで次元航行船を作っちゃったんだ! もう、僕の泡から飛び出して、別の泡にお引っ越し! 株分け成功ってやつ!」

 子供神は、高次元の床をバンバン叩いて大笑いした。泡が、ポヨンポヨンと揺れる。

「それはすごいじゃない。でも……お友達の女神ちゃんはどうしたの? この前、課題がうまくいかない、って泣いてたけど」

「あー、それね!」

 子供神は声をひそめて、ニヤニヤしながら母神に近づいた。

「実はさ、あいつ、世話をあまりしてなくて、泡を溶かしちゃったんだよ! もう、ドロッドロ! で、どうしたと思う? ボーイフレンドの男神に頼んで、『(ヌル)次元』にポイッだって!」

 母神は、思わず、銀河茶を吹き出した。

(ヌル)次元!? あそこ、ゴミ捨て場じゃないのに!」

「そうそう! もう、僕、笑いすぎて、またビッグバン創っちゃうかと思った!」

 二人は、しばらく笑い転げた。泡の壁がビヨンビヨンと共鳴し、遠くの宇宙泡まで笑い声が響く。

 やがて、母神は子供神の頭を、ポンと撫でた。

「でも、あなたはよくやったわ。課題、満点ね!」

「やったー!」

 子供神は、ランドセルをぶん回しながら、泡をもって、ぐるぐる走り回った。

 母神は、微笑みながら、銀河茶をもう一口。

「次は、もっと大きな課題に挑戦してみる?」

「もちろん! 次は……相転移ブラックホールに、お花畑宇宙を作る!」

「……発想がカオスね」

 二人の笑い声が、いつまでも響いていた。


(了)





挿絵(By みてみん)

……というわけで、神様小学生の課題でした。おわり。AIさんに作ってもらった画像いれてみました。

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