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願い星

作者: どこかのだれか

あなたの幸福を願っています。本当です。

 私は皆を愛しましょう。否定を嫌い、悪を憎み、昏き夜であろうとも光を信じて生きましょう。隣人を愛し、己を信じて生きましょう。理由はありません。私は私の思うままに、あなたはあなたの思うままに。夜に星が見えるだろう。苦しくとも、痛みを覚えたとしても。あなたの星を、探すのです。それがあなたの導きになるのでしょう。

 私は皆などどうでもいい。他人を嗤い、善を嫌い、昏き夜を憎みましょう。隣人の目に怯え、己を隠して死んでゆこう。理由なら掃いて捨てるほどあります。私は社会の歯車に。あなたも社会の歯車に。暗雲の夜の中で、星など探せるものではない。殻に隠れるのが良いでしょう。()()()()()()()()()()()()()()



 あなたは何を思うだろうか。

 この昏き夜を、あなたは光を信じて生きられるのか。

 私にはわからない。

 でも、私は後者になってしまった。

 善を偽善と嫌い、ただ人の営みを影から羨むだけ。

 私は星を見つけられなかった。

 あなたもできることならこちら側においでなさい。

 醜い私のもとに。

 それが嫌なら、歩むがいい。痛みだけの、苦しみだけの夜を進むというなら、どうぞご自由に。私はあなたを待っている。崩れ落ち、折れるあなたを待っている。

幸福を願っています。でも、堕ちる場所は必要だ。

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