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空母しなの1話

1944年11月29日午前1時

和歌山県紀伊半島岬沖合を空母一隻、駆逐艦三隻よりなる艦隊が航行していた。


その空母の名は信濃。

大和型の三番艦であるこの艦は戦艦として起工したが、1942年6月のミッドウェー海戦によって正規空母赤城、加賀、蒼龍、飛龍の四隻が失われたことを受け、空母に改装された艦である。

しかし戦局は完全にアメリカ優位に変わっており、同年6月のマリアナ沖海戦、10月のレイテ沖海戦によって事実上聯合艦隊は壊滅していた。

そんな中この艦は最後の航空戦隊を編成する予定であった。

その為に呉に回航、その後実戦という予定である。

そして信濃の中にひとりの男がいた。

阿部俊雄少将である。

阿部は信濃艦長であり、現在も指揮をとっていた。


信濃艦橋内

阿部「中村航海長、本艦はどの位置に居る?」

航海長の中村に問う。

中村「はっ。和歌山県紀伊半島岬沖合であります。」

横手「艦長!緊急事態です!」

するといきなり一人の男が入ってきた。

阿部「横手砲術長、どうした?」

横手「いきなり本艦上空に大型の雷雨が発生しました!加えて、波が荒れています!」

阿部「何!総員衝撃に備え!艦隊増速!一気に抜けるぞ!」


その時だった。

信濃が激しい閃光と衝撃に覆われた。

阿部「眩しい!そ、総員被害報告を!」

艦内電話によって次々と報告が来る

志賀「飛行隊被害なし。」

沢本「甲板被害なし。」

荒木「救護班、何時でも動けます!指示を!」

河野「機関科被害なし。」

阿部「目立った被害はなさそうだな…。よしっ。信濃、機関一杯。」

河野「機関一杯、了解。28ノットへ。」

それから4時間が経過してようやく信濃は雷雨を抜けた。

阿部「ようやく抜けたか…。中村航海長、本艦はどの位置に居る?」

中村「はっ。高知県足摺岬沖合だと思います。」

阿部「もうそんな所まで来たのか。

護衛の駆逐艦はどこにいる?」

横手「磯風、浜風、雪風共に視界喪失。電探にもいません。」

阿部「先に呉にいったのではないか?だとしたら我々も呉に向かおう。中村、面舵一杯!豊後水道へ!」

中村「了解、面舵一杯!」



2029年4月21日午後3時42分

海上自衛隊呉地方本部

レーダー要員「高知足摺岬沖合において航海予定にない艦船を発見しました。」

本部長「何っ。先程演習に向かった護衛艦いなづまを向かわせる。あと海保(海上保安庁)にも連絡を。」


いなづま艦内CIC

本部長《…と言うことだ。よろしく頼むぞ小倉。》

小倉《了解。いなづま艦長として責務を全う致します。》

小倉が通信を切ったその時だった。

乗組員1「艦長!前方レーダーより不審艦の反応あり!」

小倉「よしっ。いなづま最大戦速へ。不審艦に接近、内部調査を行う。対空対潜を厳とする。」

不審艦には10分程度で目視できるようになった。

乗組員1「不審艦の目視を確認!!

正面モニターに映像出ます!」

そこには菊の御紋が艦船前部についており、ヒストリカル迷彩が施されていた。

小倉「…これは…どこからどう見ても日本軍の空母だ!至急呉に連絡を!」


小倉《この形的に空母…大きさ的に大鳳や加賀か?》

本部長《いや、違うな。》

本部長は自信を持って答える

本部長《この艦の名は信濃。大日本帝国海軍は誇る第二次世界大戦中最大の軍艦だ…。》

小倉《信濃?あの大和型のですか?》

本部長《あぁ。1945年11月29日に和歌山沖で米軍潜水艦「アーチャーフィッシュ」の攻撃により沈没したはずだが…。》

小倉《もし仮に信濃だとして、我々はどう対応するのですか?》

本部長《とりあえずこの情報は市ヶ谷(防衛省本部)にあげる。いなづまは不審艦の監視、呉までの護衛、帰投せよ。》

小倉《信濃はどうするのですか?》

本部長《「貨物船の修理」という名目で呉に入れる。

下手に外に出ると大変になるかもしれないからな。

それと、小倉。一つ頼みたいことがあるんだがいいか?》


同時刻

信濃艦橋内

阿部「おい、なんだかいつもと景色が違う気がするのは気のせいか?」

中村に問いかける。

中村「奇遇ですね、艦長。私もそんな気がするんですが。」

その時だった。

横手「本艦前方に正体不明な船が接近中!数1!単装砲を積んでいます。」

阿部「何っ!艦種は確認できるか?」

横手「帝国海軍の艦ではありません。おそらく米軍の軽巡洋艦かと思われます。」

なぜ米軍が単独で豊後水道にいる?

阿部は疑問に思った。

しかし今信濃が行うことはひとつであることは明らかだった。

阿部「わかった…。総員第一次戦闘配置!目標、前方敵艦!飛行隊発艦用意!」

こうして信濃は戦闘の準備を行いつつあった…。

こんにちは。心神です。

pixivより出店してきました。

よろしくお願いします

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