#4
花火大会の日。皐月は弥生とその友人に見送られ、辛木川へと向かっていた。目的は弥生が内緒にしてくれて、彼女の友人からはあまりからかわれずに済んだ。
辛木川は皐月のいる団地から自転車で十分ほど。辛木市の市街地より少し離れている。そのせいか、普段は車が通るだけで、歩行者の姿はほとんど見られない。辛木川より西側は、田園風景が広がる長閑な地域である。
だが、今日は人でごった返していた。河川敷には出店が並んでおり、普段とはうって変わって賑やかなものだ。
適当な場所に自転車を停めて、河川敷まで歩く。駐輪場とは書いていなかったが、自転車が何台も停まっていたから大丈夫だろう。
弥生からもらった千円で、焼きそばとフランクフルトを二人前ずつ買う。順番待ちはあったが、時折花火があがるおかげで、割と短く感じられた。
目的の物は手に入った。あまり長居するつもりはないので、早足で自転車に向かう。こんな賑やかな場に一人で来るのは初めてのことだ。なんだかとても寂しく感じる。
「あ、さっちゃーん」
千歳の声。声がした方向に振り向いてみると、浴衣姿の千歳がいた。手元には浴衣と同じ柄の巾着袋と水風船のヨーヨー。その後ろには、同年代と思われる女子が何人かいる。千歳の友達なんだろう。千歳は小走りでこちらに駆け寄ってくる。
「……あれ、一人で来たの?」
「うん。買い出し頼まれて。ちーちゃんは友達と?」
少し嘘をつく。霞のことは弥生以外には伝えていないから、今から説明するとややこしいことになってしまいそうだ。
「弥生さんから?」
「うん。お父さんはビール会でいないんだけど、そのかわりにお姉ちゃんが友達連れてきて騒いでる。ホントに、こういう雑用ばっかだよ」
「へー、そうなんだ。さっちゃんも大変だね」
千歳がくすくすと笑う。元がいいうえに浴衣という非日常な服装のせいか、なんだかとても可愛く見えた。
「ねー、ちとっちゃん、その子だーれ?」
千歳が知らない男子と話しているのが気になったのか、千歳の友人らしい少女がこちらに駆け寄ってきた。こちらはTシャツにハーフパンツと普段着で、ポニーテール姿もどこかボーイッシュな感じがする。
「あ、幼なじみの如月皐月君。この前引っ越してきたんだ。二学期から辛木小に通うんだって」
「へー、転校生なんだー。ども、白雪深雪でーす」
深雪は人懐っこく笑って、ぺこりとお辞儀をした。
「あ、如月皐月です」
お辞儀をされたので、とりあえずお辞儀で返事。
少しの間が空いて、千歳は深雪に目配せをした。深雪はくすりと笑って、元いた友達のところに戻る。
「……あの、さっちゃん、時間ある?」
「え?」
「よ、よかったら。よかったらだけど。その、花火、二人で一緒に見ない?」
千歳が俯きながら、おずおずと口を開く。
「一人で見るの、寂しいでしょ? だから、えっと、その……。あ、えっと、友達は、その、話をつけるから」
わざわざ気を遣ってくれたようだ。千歳の気持ちは嬉しい。
さて、なんて答えようか。
今ここで千歳と一緒に花火を見るのは簡単だ。昔話なんかしていれば、自然と時間は経つだろう。引っ込み思案な彼女がわざわざ声をかけてくれたのだ。千歳の友人に変な噂をされそうだが、かといって千歳の気持ちを無駄にするのは、彼女に悪い気がする。
だけど、ここで千歳と一緒にいれば、霞のところには行けそうにない。昨日のことを謝って、霞と仲直りしたいという気持ちが、皐月の中では一番大きい。弥生も仲直りのために小遣いを持たせてくれたのだ。霞のところに行かないと、霞だけでなく弥生も裏切ることになってしまう。
千歳には悪いが、断ろう。
「……ごめん。お姉ちゃん、待ってるから」
「……あ。そうだよね。……ごめんね、いきなり無理言っちゃって」
千歳は申し訳なさそうな笑顔を浮かべた。駄目元で言ったのか、あまり落ち込んでいる様子はない。
「ううん、気にしないで。それに、気持ちは嬉しかったから。……誘ってくれてありがとう」
今言ったことは本心である。少し恥ずかしかったが、誘ってくれた千歳のほうも恥ずかしかっただろうから、これでおあいこだ。
ともあれ、今の一言で千歳の笑顔から申し訳なさが消えて、純粋な笑顔が浮かぶ。なんだか一安心。
「それじゃ、また今度ね」
「うん。弥生さんによろしく」
千歳に手を振って、河川敷から離れる。千歳の様子を確認すべく途中で振り返ってみると、上機嫌で深雪達のほうへと歩いていた。落ち込んでいないようで何より。
自転車に乗って、霞のほこらに向かう。辛木川から離れるにつれ、車の数はどんどん減っていき、街灯の数も少なくなっていく。さいわい、今日は満月に近いので、少ない街灯でも十分に明るい。耳に入ってくる音は蛙と虫の鳴き声ばかり。たまに花火の音がする。なんだか寂しくなってきた。
霞のほこらに到着。懐中電灯の灯りを頼りに階段を上がっていく。夜風が涼しいのであまり疲れないが、少し緊張してきた。会話内容は事前にシミュレーションしているが、シミュレーション通りに会話が進むとは限らない。うまく喋ることができるだろうか。
そうこうしているうちに、階段の頂上に人影が見えた。
「……霞さん?」
「……皐月か?」
霞は階段に腰掛けて花火を見ていた。花火と月明かりに照らされた霞の顔は、いつもよりも綺麗に見えて、少しどきりとする。
「花火、見てたの?」
「……うむ。毎年の楽しみじゃ」
「横、いいかな」
霞が頷いたので、彼女の右に座る。本当に緊張してきたので、霞に見えないよう掌に「人」の字を書いて飲み込む。
昨日の今日なので、なんだか気まずく、二人の間を沈黙が包んだ。
赤、青、黄色。様々な色をした光の花が夜空に咲いている。高い建物がほとんどないせいか、ここからでも花火は十分見える。
何が「花火でもネタにしなさい」だ。全然話せる雰囲気じゃないじゃないか。いい加減なことばかり言って。
心の中で弥生に毒づく。
「……のう、皐月。言いたいことがあるのじゃが……」
話を切り出したのは霞のほうだった。緊張した面持ちである。これでこちらも少し言いやすくなった。
「……オレも、言いたいことがあるよ」
視線がぶつかる。ひょっとして、同じことを考えているのかもしれない。
「じゃあ、一緒に言おっか? ……そのほうが恥ずかしくないでしょ?」
「……そうじゃな。では……」
「うん。……せーのっ」
二人とも息を吸い込んで、同時に言葉を放つ。緊張の一瞬。
「昨日はすまぬっ!」
「昨日はごめんっ!」
同じタイミングで、同じ言葉。少しの沈黙の後、二人とも思わず笑いが出てしまった。
「……なんだ、同じこと考えてたんだ」
「そうじゃな。気に病むことはなかったか」
少しの間、一緒に笑った後、霞が頭を下げた。
「改めて言う。……昨日はすまんかった。そなたが嫌がっているとはわからず、何度も可愛いと言ってしもうた……」
「……ううん、オレのほうが悪いよ。だって、あんまり怒ってなかったのに、霞さんの反応を見たくてイジワルしちゃったんだから」
「……さては、からかった意趣返しか? ……全く、骨身に染みたぞ……」
皐月が本気で怒っていなかったということを知った霞がホッと一息ついた。
「……うん。オレはもう怒ってないし、霞さんも?」
「うむ。わしは元々怒っておらぬ。じゃが、反省したぞ」
「じゃ、この話はおしまい。花火見ようよ」
その矢先に花火が上がったので、二人とも上を向く。
「わ、今の大きかったね」
「うむ。綺麗じゃな」
さっきまでの気まずさはどこへやら、いつもの調子で会話ができた。弥生が言ったとおり、二人ともすっきりした感じである。さっきの毒は返上しよう。
「……あ。誤解されてはならぬから、昨日の話に付け加えるぞ」
「ん?」
「皐月が可愛いというのは本心じゃ。本当に可愛いと思っておるよ」
霞は真剣だった。そのせいか、昨日とは全然違う感じがする。
昨日とは違い、めちゃくちゃ恥ずかしい。凄く反応に困る。
「……もう、懲りてないなぁっ」
照れ混じりの口調で、霞の頭を軽くはたく。
「ふぎゅ。……いや、からかいと受け止められては困るからな。すまぬ、流してくれ」
霞は笑って、少し頭を下げた。
なんだか凄くドキドキする。今まで経験したことがない感覚。反応に困って、とりあえず話を変えてみる。
「あ、そうだ。食べ物買ってきたよ。たぶん、霞さんも好きな感じだと思う」
ビニール袋から焼きそばを取り出す。スナック菓子のたこ焼き味が好きだと言っていたから、霞はソース味が好きなのだろう。安直な発想だとは思う。
「む、旨そうな匂いじゃのう。呼ばれるとするかの」
「でしょ?」
容器を留めている輪ゴムを外して、割り箸と一緒に渡す。霞は割り箸に不思議そうに眺めていた。
「……のう、これはどうやって使うのじゃ?」
「割り箸? えっと、こんな感じで割ってお箸にするの」
霞によく見えるよう、彼女の目の前で割り箸を割る。上手く割れて一安心。
ちなみに、子供の頃、両親に厳しくしつけられたので、箸と鉛筆の持ち方は綺麗な自信がある。
「なるほど。……む~……」
霞は割り箸の下部に力を込めすぎている。そう忠告しようと思ったが、失敗したときの反応も見てみたいので、あえて放っておく。
予想通り、霞の割り箸は根本がくっついたままの、アンバランスな形になってしまった。
「な、何か皐月の形と違うぞ!?」
「あはは、力を込める場所、間違えたね」
「……失敗したのか?」
「そういうこと」
しょんぼりしている霞の様子は、見ていて面白かったが、次第に気の毒になってきた。これじゃ昨日と同じパターンだ。元はといえば注意しなかった自分が悪いのだし、何か行動を起こさなきゃ。
「じゃ、オレのと交換しよっか? それじゃ食べにくいでしょ?」
「え、いや、しかし……」
「いいから。注意しなかったオレも悪いんだし」
半分無理矢理に、霞と自分の割り箸を交換する。少し食べにくいが、これぐらいは我慢できる。
「……前々から思っておったが、優しいんじゃな、皐月は」
「……え? そ、そうかな」
霞の声は、いつもと調子が違っていた。なんだか優しげな声。
「うむ。顔立ちも可愛らしいしのう。わしがまともな姿をしているのなら、放っておかぬのじゃがな」
霞がくすくすとイタズラっぽく笑った。声の調子はさっきと違って、今度はいつもと同じ。
まともな姿をしているのなら。
皐月はそこが気になった。霞が何度か口にしている自虐的な冗談なのだろう。だけど、そこまで自分を卑下することもないと思う。
「……あの、霞さん」
「うん? どうかしたか?」
「……あの、オレ、霞さんの足が蛇だからって、気になんかしてない、から」
皐月が霞に抱いている感情は、姉の弥生とも、幼なじみの千歳とも異なっていた。
自分とこんなに楽しそうに話してくれる人は、霞以外にいない。霞が楽しそうにしているからか、皐月も話していて楽しくなる。
そう、一緒にいて飽きない。一緒にいるだけで楽しい。
そんな人は、皐月にとって初めてだった。
だから、霞には自分を卑下してほしくない。霞のことは綺麗だと思うから。
「……う、うーむ」
「……あの、オレ、何かヘンなこと、言った?」
「いや、変ではない。……のう、もう少し、近くに寄って良いか?」
「へ?」
皐月の返事を聞く前に、霞は皐月との距離を縮める。肩と肩が触れ合うような距離。霞の足が皐月の背中を迂回していて、霞の足に囲まれている形になった。
「ちょ、ち、近いよ。どうしたのさ、急に?」
なんだか凄くドキドキしてきた。いつものからかいとは少し違う。霞の様子を探るべく、彼女のほうを見てみると――。
「別に、こうしたかっただけじゃ」
なんて、皐月の方を向かずに答えるのだった。
なんと答えればいいかわからず、とりあえず焼きそばを頬張るも、こんなにドキドキしていて、顔が火照っている状態では、味なんかわかるはずがない。
「……あ、これは美味い。やはりこの味は好きじゃな」
あまりにも恥ずかしくって、なんだかここから逃げ出したくなってきた。
「お。見よ、今の花火は綺麗じゃな」
なんだか饒舌な、霞の言葉も上の空。
そんな皐月を後目に、霞は本当に楽しそうだ。
ふと、脚にひんやりとした感覚が伝わる。今日は膝丈のハーフパンツを穿いているのだが、霞の尻尾―足の先端―が皐月の肌に触れていた。彼女の足は、ひんやりしていて、すべすべしていて。
触ってみたいな。
なんて気持ちが脳裏によぎる。
って、それは女の人の脚を触るのと同じだ。そんなのただの変態じゃないか。
脳裏によぎったやましい考えを振り払うべく、皐月は慌てて首を振る。
「……皐月?」
「わぁっ!?」
そんな皐月の様子を怪しく思ったのか、霞が皐月の顔を覗き込んできていた。今日はびっくりしっ放しだ。なんだか心臓に悪そうな気がする。
「どうかしたのか?」
「う、うん、なんでもないよ。なんでもないからっ」
さすがにこれは掘り下げられたくない。必死で話題を逸らそうとするが、こんな時に限って花火が上がらない。
なんとか別の話題を探すべく、霞の顔を見る。暗がりの中でうっすらと見える霞の顔は、口元が真っ赤だった。このあたりで真っ赤なものは――。
「……霞さん、口元、ベトベトだよ?」
フランクフルトのケチャップ以外にない。
「あはは、みっともないの」
きょとんとしている霞はなんだかおかしくて、思わず笑いが出てしまった。ポケットティッシュを取り出して、彼女の口元を拭いてあげる。
「ほら、真っ赤じゃん」
「むう、先程食ったものじゃな。美味いと思っておったが、このような罠があるとは……」
霞は苦笑を浮かべると、舌を出して口元のケチャップを舐め取った。彼女の舌は細長い。気味悪いとは思わないが、やはり人とは違うようだ。
「……便利だね」
「じゃろう? 他にも使い方はあるのじゃが、まぁ皐月にはちと早いかの」
霞が艶っぽく笑う。
違う使い道ってなんだろうか。
そんなことを考えていると、霞は皐月の肩に頭を預け、右足に尻尾を絡ませてくる。
「……ちょっ!? な、な、な、何してるの!?」
霞のいきなりの行為に、皐月は一気に赤面する。霞のひんやりとした鱗の感触が、皐月の右足に伝わってきた。右足はひんやりして気持ちいいが、顔は凄く上気しているし、胸は凄くドキドキしている。総合的に見れば、暑い。
「……いきなりすまぬな。じゃが、もう少しこうさせてくれ」
霞の声はか細かった。
「……学校は、もうすぐか?」
「……うん」
夏休みはあと一週間ほど。学校が始まれば、今のペースで霞と会うことはできないだろう。
「そうか。……友達はできそうか?」
「……わかんない」
皐月にとって、転校は初めてのことだ。全然知らない土地で、知らない人と仲良くなれるのだろうか。正直なところ、不安である。
「ふふ、わしなんぞとこうして仲良うしてくれとるのじゃ。友達の一人や二人、造作もなく作れるじゃろう」
霞の励ますような言葉がどこか嬉しい。だけど、友達ができれば、霞と会う機会は今よりもずっと少なくなるだろう。
霞の口調は明るかったが、右足に絡まっている尻尾に、少し力が入ったことが感じられた。
「……霞さん。ひょっとして、寂しくなるの?」
「……寂しくはならぬと言えば、嘘になるかの」
花火があがった。
「……オレも、寂しく、なるよ」
たどたどしくもはっきりと、自分の気持ちを伝える。今の言葉で、霞は顔を上げた。気持ちを彼女に伝えるべく、彼女の瞳を見つめる。
「だから、約束する。学校が始まっても、霞さんに会いに来る。ひとりぼっちは、寂しいでしょ?」
「……さつ、き……?」
「今みたいにほとんど毎日は来れないかもしれないけど……。それでも、きっと、霞さんを一人にはしないから」
霞が目を逸らした。だけど、尻尾の力は緩まっていない。
「……どうしてじゃ?」
「ん?」
「どうして、わしにここまで優しゅうしてくれるのじゃ……?」
霞の声は少し震えていた。
彼女に優しく接しているという自覚はない。ただ、霞は友達だから、それ相応の態度をとっているだけだ。友達が寂しがっているのなら、そばにいてあげる。当然のことだ。
「なんでって……。霞さんはオレの……」
自分ではそう思っていても、いざ伝えるとなると少し恥ずかしくなってきた。だけど、ここで言わないと、竜頭蛇尾にもほどがある。
「……オレの、友達でしょ?」
ちょっと恥ずかしかったが、はっきりと伝える。
そう、霞は友達。大切な、大切な友達。
「……ぁ……」
霞の声にならない声が聞こえたかと思えば、右足に絡まっていた尻尾が解かれる。
「……そ、そろそろ帰った方がいいのではないか? 親御さんも心配しておるじゃろう?」
「え、そうかな?」
「う、うむ。花火も終わったようじゃし、人が多くて物騒じゃろう?」
霞の様子は少し変だ。なんだか慌てているような感じがする。ひょっとして、友達呼ばわりしたのが悪かったのだろうか。
「……霞さん、悪いこと言っちゃった?」
「いや、それは違う!! 友達と言ってくれて、わしはとても、とても嬉しかった……!」
霞の言葉に嘘は感じられない。じゃあ、どうしてこんなに慌てているんだろうか。
もう少し踏み込もうと思ったが、あまり踏み込んでも昨日の二の舞になりそうだ。心配してくれたものと素直に受け取ろう。
「そっか。……それじゃ、帰るね」
「……うむ。差し入れ、美味かったぞ」
「気に入ってくれた? よかった」
霞はやっぱりソース味が好きなようだ。外見からはちょっと意外な感じがするが。
ゴミを持って、帰り支度をする。
そして、昨日言えなかった、大切な言葉を言う。
「霞さん、また明日」
「……うむ。気をつけてな」
今日は無事に言えた。霞に手を振って、階段を下りていく。
別れ際の霞の様子はどこか変だった。友達と呼んだことに照れているだけなのだろうか。それならいいのだが。
弥生に相談しようと思ったが、彼女にあまりネタを与えるのは好ましくない。あることないこと妄想しそうで困る。
まぁ、何度か来れば、霞の気持ちもわかるだろう。そう楽観して、皐月は家路を辿るのだった。