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わんこに「ざまぁ!」されたお話(実話。長文。お時間のある時にどうぞ♪)

作者: ソウ マチ

 昨日はワタシがざまぁ! したお話を書きましたので、今日はワタシがざまぁ! されたお話を。

しかも相手はわんこです! なんでだっ!?


 わんこは大好きです♡ 道で見かければ必ずガン見しますし、あわよくばモフモフしたい!! でも勝手にさわるのはNGなので、飼い主さんの許可を取ってからモフモフします♪ 少し前まで自由に道を歩いているわんこもいたのですけれど、最近はいないです。さびしいけれど、わんこの安全のためですから仕方ない。


そんなカワイイわんこたちって、意外に人間の言葉を理解していますよね……。


まだわんこが自由に外を歩いていた頃、ワタシは福岡県の平尾台へ出かけてゆきました。

家から平尾台までは良いドライブコースでしたし、小高い山できれいな空気を吸うのは気分転換に最適です♪

ワタシが車を停めて緑の豊かな遊歩道を散策していると、木立ちの間から大きなゴールデンレトリバーがしっぽをフリフリ近づいてきました。


ソウ:こんにちは! なでさせてくれるの?


わんこは大きな口を開けて笑いながら近づいてきました。モフモフモフモフ♡ かわいい~♡

彼はちょっと太り気味で、長い被毛はツヤツヤです。首輪も付けているし近くの飼い犬らしい。彼はしばらくなでさせてくれていましたが、なにを思ったのかワタシの持っていたカバンをパクリとくわえました。その日は銀行で支払いをするため、普段は持たない大金が入っていた。持っていかれたらタイヘンです!


ソウ:だめよぉ~! このカバン、たくさんお金が入ってるの。


断言できます! この言葉を聞いた瞬間、たしかに彼の眼が光りました! カバンに大金が入っていると彼は理解したのです! 彼はカバンを咥えたまま大きく首を振って、ワタシの手からカバンをもぎ取りました!

そして……、


わんこ:ご主人~! お金です~! お金をゲットしました~!!


大きなしっぽをご機嫌に振りながら、カバンを咥えて走り出した! さすがレトリバー! レトリバーの意味は「獲物を回収する犬」です! ほんとに獲物を回収してる! 彼の迷いのない走り方から、愛するご主人に獲物をプレゼントするつもりだったと推察します。たぶんご主人のいる家へ向かっていたんじゃなかろうか。


ソウ:わあああああ!! だめだってば! 返して!!


あわてて彼を追いかけます! 盗んだ金をもらっても、君のご主人だって困るから!! 

いま思えば、彼はワタシが追いかけてくるのを楽しんでいたようです。足の速いレトリバーですから、彼が本気を出せばワタシをぶっちぎって逃げるのは簡単だったはず。それなのに追いつくことができたので、彼は鬼ごっこがしたかったのかもしれない。


必死で追いかけてカバンを取り返したワタシを見て、彼は口を大きく開けておもいっきり笑っていました! 「ざまぁ!」というほどではありませんけれど、「してやったり!」というドヤ顔はしてた!


わんこ、おそるべし!


ここまで書いて思い出した。今日のお話のサブキャラとして後で登場するマックのことを。


マックはうちのわんこでした。19歳と11ヶ月で虹の橋を渡りましたけれど、ものすごく賢い犬でした。

どれくらい賢いかと言うと、賢すぎてワタシの指示をわからんふりをするのですよ!

ワタシが「おすわり!」と言っても「はぁ?(*´Д`) わかりませんww」って顔をするのに、母親が「おすわり」と言うと一発で座る! 警察犬の訓練所で「マックは賢いです! すべての指示を理解して実行できます!」そう言われたのに、家に帰ってきてから指示を聞くことは一度もありませんでした! なにを言っても「はぁ? (*´Д`) わかりませんww」で押し通した!!


そんなマックは一時期「一人暮らし」をしていました。わんこなのに一人暮らし……。一人暮らしというか、一匹暮らしです。

ワタシが家を出てからマックと母親が一緒に暮らしていたのですけれど、母が入院したのです。母がいない間のマックの世話は、ワタシが産まれる前からご近所付き合いをしているシマカワさん(仮名)がしてくれました。


シマカワさんとご主人が交代でマックにご飯を持ってきて散歩してくれました。ワタシは遠方に住んでいたので、マックの世話ができなかった。

母が退院する日、シマカワさんはマックを散歩に連れ出してご飯を食べさせて、マックに言ったそうです。


シマ:今日はもっちゃん(私の母)が退院するんよ! 病院へ迎えに行って、うちでお祝いするとよ! それが終わったらもっちゃんは家に帰ってくるけん、マックも会えるね!


シマカワさんはマックにそう言うと、ご主人と一緒に母を迎えに行ってくれました。そしてご近所さんたちが集まって、シマカワさんの家で退院祝いをしました。

みんながワイワイ話していると、玄関に気配がした。誰か来たのかと思ってシマカワさんが玄関へ出てみると…………、














そこにマックがいたのです!!


マックはシマカワさんの家を知らないはずです! だって連れて行ったことありませんもの! それにマックには頑丈な首輪を付けていました! 今まで脱走したことなんて一度もありません! それなのにマックが来た!! いったいどうやって!? そしてなぜここに!?

全員ビックリした後に、感動の涙でむせび泣いたそうです。母の身を案じたマックが、母に会いに来た!!


マックは皆さんから素晴らしいご飯をたくさん食べさせてもらって、母と一緒に家へ帰ったそうです。この時のマックは最高のドヤ顔をしていたと、後日母が教えてくれました。ww


このマックがですね……。飼い主のワタシでさえ認めざるをえないほど可愛くない犬でして……(涙)。

見た目は貧相なオオカミです。そして目つきが悪い。加えて無愛想な性格ですから、さらに可愛くない。いや、飼い主の私は可愛いと思うのですよ。でも客観的に残念なのは知ってます。


ある日マックのフィラリアの薬をもらいに、母とワタシはマックを連れてペット病院へ行きました。健康診断をして問題なしと先生から言われたときに、母が切り出した。


母:先生、マックちゃんは何の犬種ですか?


ワタシ絶句です。もともと野良犬だった母犬から生まれたマックは、どこからどう見ても雑種! アレコレゴチャゴチャ入っているので、犬好きで犬種にくわしいワタシでも何が入っているかわからないのに、わざわざ先生に聞くか!?


聞かれた先生はマックをじいいっと見ておっしゃいました。


先生:雑種……というのが一番しっくりきますね……。


そうでしょうとも! 母がアホなことを聞いてすみません! ところが母はしつこかった!


母:それでも何か入っていると思うんです。何が入っていますか? 先生ならおわかりになりますよね!?


入りすぎてわかんねぇんだよ!! その口を閉じろ!!

母のあんまりな質問に真っ赤になるワタシの前で、先生が言いました。

















先生:ネコは……入ってないと思いますよ。


ギャフン! 雑種、ここに極まれり!! ネコが入ってないだけマシと思えと言われた!! 動物の専門家に「ネコは入ってない」と言わせるレベルの雑種! それがマック!!


ん?? どうして獣医の先生にギャフンと言わされた話になっちゃったんだろう? ワタシがわんこに「ざまぁ!」された話をするはずだったのに……。


そういうワケで閑話休題。話を元に戻します。


このマックと母親、ワタシの三人(?)が連れ立って、ある日お出かけしました。

お訪ねしたのは母親の友人であるセワタさん(女性・中年)のお宅です。美味しい鍋を作るから、いらっしゃいとお招きくださった。当時、私の実家は二世帯住宅を建てるために建設中で、家が建つまでマックと母親は賃貸アパートで暮らしていました。アパートはセワタさんのお宅の近くだったので、たまにお宅へお邪魔してはご飯をご馳走になっていた。


お鍋ができるまでマックの散歩に行ってらっしゃいと言われたので、母とワタシはマックを連れて住宅街から田んぼへ向かっていました。ワタシは馴染みのない土地なので新鮮です♪ マックはたまに通る場所なので、慣れたようすで田んぼへ向かっています。


住宅街のゆるやかな坂を下っていると、曲がり角から急にわんこがあらわれた! 小型犬と中型犬の間くらいの大きさのワンコです。赤い首輪の先に青いリードが付いていて、ズルズル引きずっています。急だったので驚きましたけれど、わんこの顔を見て母親が爆笑しました。


母:マチちゃん見て! この犬ブサイク!! 顔はちんちくりんだし、すごい短足!!ww ヘンな犬!ww


マックだってかなりブサイクなのですけれど、飼い主フィルターが掛かってマックは可愛く見えるらしい。よそのお宅のわんこに向かって失礼なことを言うな!

母親の失礼な物言いをたしなめようとした瞬間、わんこの目つきが変わりました! あの子はきっと、母親の言った言葉を正確に理解したんだと思います。ブサイクと侮辱されて怒ったわんこは母親に襲い掛かろうとしました。大きさはそれほどではありませんけれど、本気で怒った犬に大きさは関係ない!! もの凄い気迫で母に噛みつこうとしましたが、母は犬より強かった! 足をダンッ!と踏み鳴らして犬を威嚇したのです。ひるんだ犬が次のターゲットに選んだのは、私がリードを持っていたマックです! ウウウ!と唸りながらマックに突進してきた! マックが危ない!! 


ところがマックも強かった!! 何をどうしたのか知りませんけれど、気迫で犬を撃退したのです。噛みつかんばかりだった犬が急に怯えて後ろへ下がりました! すごいぞマック!

犬がひるんだ隙に、私はあわててマックを抱き上げました! ブサイクだけど可愛い飼い犬です! マックを守らねば! こういう時は重くても持ち上げられるものです! 10kgのマックを私は軽々と抱き上げた! これでマックは安心! 助かった!!


怒りで目をギラギラさせた犬はターゲットを失いました。そして…………、
















ガブリ!! 私の足に噛みついたのです!! なんでやねんっっっ!?

痛さに耐えかねてマックを投げんばかりの勢いで地面に降ろして、犬の耳をつかんで引きはがしました。犬の耳を引っ張るのは良くありませんけれど、噛みつかれてそれどころじゃない!!

やっと犬を引っぺがして噛まれたところを見ると……、


白かった……。お食事中の方はごめんなさい。真っ白でキレイな私の骨が見えました☆ すごくキレイな白色でした♪ そして次の瞬間、ぶわわわわとキレイな赤色になりました♪ 足も地面もキレイな赤色♪

キレイ……☆ 前衛的な絵画みたい☆


エッセイなのでマイルドな表現にしていますけれど、その場はまさに修羅場でございました!! 激痛で倒れ込む私に向かって犬が…………、













犬:ワンワンワンワンワン!!(ざまぁみやがれ!!)


そう言って声高らかに吠えたのです! 間違いない! 確かに「ざまぁ!!」された!! だから何でワタシやねんっっっ!? ワタシは何にもしてないやんけっっっ!!

耳をつんざく犬の勝鬨かちどきの声が響き渡る中、坂の上から女性の声がしました。


女性:アニーちゃん!? アニーちゃん!? どうしたの!?


その中年の女性は、車椅子に乗っていました。なるほど。リードが手を離れてすぐに追いかけることができなかったのは、車椅子が理由ですか……。

吠え続けるアニーちゃんと血を流す私を見て、女性はギョッとした顔になりました。一目でアニーちゃんがやらかしたとわかる惨状です。


女性:すみません!! 申し訳ありません!! まあ! どうしましょう!?

ソウ:だ、だいじょうぶ……です……。

女性:でもお怪我を!?

ソウ:だ……い……じょうぶ……。(← 血の気が引いて倒れそうになってる)

女性:ですけどっっっ!?


ここで私が騒ぐと犬は殺処分になります。人を噛んだ犬は殺処分されるのです。車椅子の女性にとって、犬は大事な家族でしょう。車椅子じゃなくても大事な家族ですけれど、お出かけするのが困難な方にとって一緒にいる犬は家族以上に大切かもしれない。


ソウ:今後から……リードは……離さないでください……。

女性:あなた怪我が!? 病院へ行きましょう!!


病院に行っちゃうと事情を話さねばならず、その後は犬の殺処分が待ってますから行きません! それに第三者行為ですから健康保険は使えません。十割負担になりますし、それをあなたに負担してもらうのも気の毒です。


ソウ:この子……狂犬病のワクチンは……?

女性:してます! ワクチン注射は済んでます!!

ソウ:じゃあ、いいです……。


そして私は血をダラダラしながらセワタさんの家へ戻りました。事情を聞いたセワタさんは大激怒です!


セワタ:あの人は前からリードを持たずに散歩させてたのよ! そんな犬は保健所で処分してもらったらいい!!

ソウ:ダメです! 犬は大事な家族でしょうから殺処分はダメです!

セワタ:そんなこと言っても!! 他の人が怪我したらどうするの!?

ソウ:今度あの女性に会ったら、絶対にリードを離さないよう言ってください。そして次に誰か怪我した時は、犬が殺処分されると教えてあげてください。でも私の怪我で殺処分はイヤです! 私がイヤなんです!!


そういうワケで事なき(?)を得ました。セワタさんはその後、ものすごく強い口調で強力に女性へ注意をしてくださったらしいです。おかげでその後の怪我人は出ず、あの子は天寿をまっとうしたらしい。私は気合と根性で怪我を直し、病院へは最後まで行きませんでした。まあ肉に穴が開いただけで縫うほどでもなかったし、後ですごいアザができましたけれどアザは放っておくしか対処がありませんから。


そしていまだに納得できません。なんでワタシがワンコに「ざまぁ!」されたんだ?

ワンコをバカにした母ではなく、なんでワタシなんだ?


母いわく……。


母:マチちゃんの気合が足りなかったのが悪いんじゃない? アタシもマックも気合が入ってたから噛まれなかったんだし。マチちゃんが悪いのよ♪


いつかこの母親を「ざまぁ!」してやりたい……!!

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